松本・本庄の「相澤健康センター」(松本市本庄2)が9月、胃がんと大腸がんの早期発見のための「消化管ドック」を開始した。
上部消化管(食道、胃、十二指腸)と下部消化管(大腸)を内視鏡で観察。検査時間は1日で、9時ごろに受け付け、午前中は血圧測定や問診、準備を行い、午後は胃カメラと大腸カメラの後、内視鏡専門医が結果を説明する。診療部統括医長で内視鏡専門医の高木健治さんは、「必ず内視鏡専門医が担当し、現状を詳しく説明する。相澤病院と連携した対応が取れることもメリット」と話す。
これまで同センターでは、胃の内視鏡検査を含む人間ドックのオプションとして大腸内視鏡検査を行っており、時間も2日間かかっていた。「検診を最も受けてほしい40~50代は仕事などに忙しく、検診のためにまとまった時間を確保するのが難しい人も多いが、1日で終わるので利用しやすいと思う」
高木さんは、名古屋市内の病院で消化器内科の医師として20年ほど勤務。山に近く自然豊かな安曇野の風景に憧れ、家族と共に池田町に移住し、2013年から同センターで働いている。「名古屋の病院でも胃と大腸の検診を1日で行うコースがあった。評判が良かったので、ここでも導入したいと考えていた」。3月ごろから調整を進め、9月から予約を開始。今月から実施している。
国立がん研究センターが先月発表した、2014年に新たにがんと診断された人のうち、部位別では大腸がんが1位、胃がんが2位。都市部では「消化管ドック」を用意する病院も増えてきているというが、「地方はまだ少なく、県内でも初めてだと思う」と高木さん。「早期発見・早期治療が大切。特に身内に胃がんや大腸がんになった人がいる場合は、受診を勧めたい」と呼び掛ける。
検診は毎週水曜9時~。対象は60歳以下。料金は4万円。予約は同センター(TEL 0263-34-6360)まで。