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松本・浅間温泉で女性作家二人展 光を内包する半透明のガラス作品

飯塚さん(写真左)と大塚さん。10月28日は二人が在廊予定

飯塚さん(写真左)と大塚さん。10月28日は二人が在廊予定

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 女性ガラス作家2人による「飯塚亜裕子・大塚麻由 ガラス二人展」が現在、松本・浅間温泉の「手仕事扱い処(どころ)GALLERYゆこもり」(松本市浅間温泉3、TEL 0263-46-2066)で開催されている。

ペーパーウエイト制作のワークショップの様子

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 2人の作品に共通する特徴は、光を内包したような半透明のガラス。石こうで型を作り、電気炉に入れて鋳込んだ後、切削したり、磨いたりして仕上げる。「手間はかかるが、吹きガラスでは出せない質感が魅力」と飯塚さん、「彫刻を作るような気持ちで取り組んでいる」と大塚さん。パート・ド・ヴェール技法を用いる飯塚さんは、植物をモチーフにしたグラスなど約30点、大塚さんは羊や猫など動物の作品を中心に約50点を出品する。

 飯塚さんは1987(昭和62)年、武蔵野美術大学工芸工業デザイン科を卒業。「工芸に興味があって、大学では総合的に学んだ。絵を描くのが好きだったが、ガラスを始めて造形の面白さに引かれた」と振り返る。卒業後は建築関係の事務所などで働いていたが、自身の手で生み出す感覚を求めて「東京ガラス工芸研究所」へ。修了後は作家活動をしながら講師としても教えていたが、2003年、漆工芸を学ぶため高岡短期大学(現富山大学芸術文化学部)に入学。現在は出身地の新潟と東京の2カ所を拠点に活動している。

 大塚さんは、飯塚さんが東京・八王子の高校で開いたワークショップに参加したことがきっかけで、ガラスに興味を持ったという。当時、ものづくりに携わる会社に勤めていたが、「自分の手で作るために学びたい」と女子美術大学に社会人入学。2007年に卒業した後は本格的に作家活動を始め、2011年からは「金沢市牧山ガラス工房」で制作している。

 同ギャラリーの瀧沢一以さんから依頼を受けた大塚さんが、一緒に展示をしたい相手として飯塚さんの名前を挙げたことで、二人展が実現した。「ずっと思っていたが、なかなか言えなくて。実現できて本当にうれしい」と大塚さん、「自分が教えたことがきっかけでこの道に入り、作家として頑張っている姿を見ているだけでもうれしいのに、まさか誘ってもらえるとは」と飯塚さん。

 期間中は、ガラス作家の近藤綾さんと星名泉さんが講師を担当してワークショップを開催。7日には、近藤さんが4枚の板ガラスに絵付けをして、電気炉に入れて仕上げるペーパーウエイト作りを行った。瀧沢さんは「展示しているガラス作品もワークショップの作品もそれぞれ技法が違う。吹きガラスとは一味違うガラス作品の魅力を楽しんでもらえれば」と呼び掛ける。

 価格は、飯塚さんのグラス=8,640円~、器=5万4,000円~、大塚さんのネックレス=6,000円、羊のオブジェ=5万4,000円~など。営業時間は10時~18時。木曜・金曜定休。10月28日まで。17日は星名さんによるワークショップ「フュージングで作るガラスの小物」を開く(要予約)。参加費はガラス小鉢=4,000円、箸置き=2,000円。

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