松本・桐に9月10日、ラーメン店「麺匠胡桃(くるみ)」(松本市桐2、TEL 0263-87-3310)がオープンした。
コの字型のカウンターを設置した店内は、明るい木目を基調としたカフェのような雰囲気。カウンターとテーブル計13席を設ける。
メニューは鶏白湯の「鶏煮干しラーメン」(780円)と鶏ガラ魚介スープの「あっさり煮干ししょう油ラーメン」(756円)。イワシの焼き干しや煮干しを使ってダシをとる「津軽ラーメン」をベースに、煮干しのほかに鶏を加えて酸味と苦みを抑え、優しい味に仕上げた。太さと長さにこだわったちぢれ麺は、市内の「横沢麺業」に特注したもの。店主の胡桃澤森さんは「店を始めるなら、『津軽ラーメン』がいいと思っていた。こちらではあまりなじみがないので、特徴を生かしつつ受け入れてもらえるような味を目指した」と話す。
胡桃澤さんは大町市出身。美容師として東京で働き、戻ってきて松本で勤め始めた頃に、当時、市内白板で営業していた「寸八」のラーメンに出合った。「戻ってきて、東京と地方の差を感じていたときに、東京に勝るとも劣らないラーメンを出している店があることが衝撃だった」。代表の堀江勇太さんに「ここで働きたい」と直談判。「今はうちでは人を雇っていないが、そんなにやりたいのなら」と紹介された安曇野・豊科の「きまぐれ八兵衛」で5日後から働き始めた。5年間勤め、その後は、松本・大手の「ひづき」で6年、経験を積んだ。2009年からスタートしたラーメンイベント「信越麺戦記」にも携わり、「地元のラーメンを盛り上げようと切磋琢磨(せっさたくま)する人たちと一緒に働けたことは財産」と振り返る。
青森では、2日間で18軒の店を巡って「津軽ラーメン」を研究するなど、少しずつ独立に向けた準備を進めてきた。2年前に開業した「横沢麺業」の代表は、胡桃澤さんと同じ年で、地元のラーメンに関わってきた「同志」。胡桃澤さんは「市内なので、打ちたてを持ってきてもらえるし、何より一緒に頑張っていきたいという気持ちが強い」と笑顔を見せる。
のれんには、煮干しを大きく描いた。「この地域は、煮干し系はまだまだ少ない。好き嫌いはあると思うが、根付いていけば。おいしいと言ってもらえて、ゆったり過ごせるような店にしたい」と意気込む。
営業時間は、11時30分~14時30分、17時30分~21時(いずれもラストオーダー、売り切れ次第終了)。月曜定休。