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松本で民芸作家・宮田嵐村さん回顧展 心温まる「もっこり」作品30点

木彫や絵画作品が並ぶ館内

木彫や絵画作品が並ぶ館内

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 松本・里山辺の「おっとぼけ美術館」(松本市里山辺、TEL 0263-33-3348)で現在、故・宮田嵐村さんの回顧展「五千万年音線」が開催されている。

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 宮田さんは1920(大正9)年北安曇郡美麻村(現大町市)生まれ。画材店を経営する傍ら、弟で小学校教師の三郎さんが主宰する青少年美術研究会に参加し、絵を描き始めた。その後、松本市に移り、道祖神をモチーフにしたとされる道神面を中心に、絵画、版画、彫刻や詩歌など多方面にわたって創作活動を行った。

 同展では木彫作品10点と、油絵などの絵画作品約20点を展示。男女が絡み合うように抱き合う木彫のオブジェや、植物のように生える道神面を描いた絵画などが並ぶ。館長の相澤和典さんは「一つ一つの作品へのこだわり方が面白い。泥臭さというか、『くさみ』というか。木彫作品には特に色濃く感じる」と話す。2012年、宮田さんが92歳で亡くなった後に行われた回顧展で展示したものや、展示しなかったものも。「モチーフは愛や性(=生)など、人間の根源といえるもの。嵐村先生の『愛と性の世界』が詰まった空間になった」

 宮田さんが自宅の風呂を「五千万年温泉」と名付け、来客を楽しませていたことを手掛かりにして企画した同展。凹凸のあるフタのようなものに裸でくつろぐ女性を描いた「温泉絵画」の横には、由来や効能などが書かれた平板も飾る。

 昨年11月にオープンした同館は、宮田さんが作品制作をしていた建物の事務所だった部屋で展示を、作業場だったスペースで民芸品の販売やワークショップを行っている。「うまさというよりも、味がある作品。『ほっこり』というか、『もっこり』感がある(笑)」と相澤さん。「作品から、先生の温かさや激しさ、そしておもてなしの心が伝わってくる。寒くなってきたので、少し温まってもらえれば」と来場を呼び掛ける。

 会期中の開館時間は12時~17時。土曜・日曜・祝日開館(平日は要問い合わせ)。入場料(会期中)は200円。11月19日まで。22日14時からは「ほっこり愛愛だるま」作りと老舗茶屋「堤治」のお茶を楽しむワークショップを行う。参加費は1,000円(要予約)。

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