阿部守一長野県知事と県民が意見交換する「県政タウンミーティング」が9月10日、松本・今町のコワーキングスペース「KNOWERS(ノウアーズ)」(松本市大手1)で行われた。
阿部知事が就任した2010年からスタートした「県政タウンミーティング」。知事と県民がテーマに基づいて意見交換を行う場として、毎年10回程度、県内各地で開催している。
当日は、高校生から80代までの32人が参加。「次期総合5か年計画(2018年~22年度)の策定に向けて」をテーマに、5つのグループに分かれて40分ほど話し合った。阿部知事が到着すると、「実現したいことを具体的に提案してもらえればうれしい。行政も民間も一緒に語り合い取り組んでいきたい」とあいさつ。その後、各グループが意見を書き込んだ付箋を貼った模造紙を見せながら、内容を発表した。
「学び」について話し合ったグループは、仕組み、場づくり、題材と3つに分けて情報を整理し、高齢者と子どもたちをつなぐ仕組みや伝承させる場として公民館の活用を提案した。「産業・経済の持続的発展」について話し合ったグループは、「東京への人・もの・富の集中」を課題とし、情報発信として「小学生にSNSを教える」、インフラ整備として「松本空港の国際化」の2点を挙げた。
全ての発表を聞き終えた阿部知事は「ここだけの話」と個人的な考えも交えながら、疑問に答え、現状での取り組みを説明した。「フェイスブックだけではなくインスタグラムも知事にやってほしい」という声には、「先日、大学生との意見交換の場で勧められて始めた」と応じ、皆でインスタグラムをフォローするという一幕も。各グループが触れた「教育」については、「今の時代、学ぶべきことは大きく変わってきている。長野県を自他共に認める『学びの県』にしたい」と意欲を見せた。
質疑応答では、来年開学する長野県立大学、プログラミング教育、次のリーダーを育てるための取り組みなどについて話した阿部知事。「制度だけで改善できるものではない。一人一人問題意識を持って行動し、多くの人を巻き込んでいくことで地域力、自治力が高まってくる。そういう環境をつくっていきたい」と力を込めた。