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松本・深志に食堂「アルプスごはん」 料理研究家・金子健一さんが開業

「店、というより『金子の台所』という感じ」と笑顔で話す金子さん

「店、というより『金子の台所』という感じ」と笑顔で話す金子さん

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 松本・駅前大通り沿いの「栞日(しおりび)INN」(松本市深志3)1階に食堂「Alps gohan(アルプスごはん)」(TEL 0263-87-5377)が6月15日、オープンした。

日替わりの「本日のアルプスごはん」

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 フードユニット「つむぎや」として活動する料理研究家・金子健一さんが開業。内装は諏訪市の「ReBuilding Center JAPAN」が手掛け、旧栞日の空間を生かしつつ改装した。店舗面積は約6坪、カウンター8席で、ベビーベッドの廃材やツガの古材を用いた窓際のベンチ席は、看板として使っているマットを敷いて、赤ちゃんも一緒に過ごせるように。「ツガは木と母で『栂』。一つ一つ丁寧に、意味のあるもので作ってもらい、素晴らしい空間が出来上がった」と金子さん。

 メニューは、おかずのプレートとご飯、みそ汁が付く「本日のアルプスごはん」(1,100円)と黒ゴマの風味を生かした「つむぎやの黒カレー」(900円)の2種類。ご飯はアイガモ農法で栽培した安曇野の玄米を店内の精米機で5分づきにして炊く。市内の「SASAKI SEEDS」(里山辺)と「ふぁーむしかない」(和田)から直接届く野菜は、「無農薬や固定種・在来種の自然栽培などで作られたものは、味が濃く、野菜そのものの味がする」という。

 ドリンクは、「りんご甘酒」「オーガニックジンジャーエール」(以上400円)、「自家製赤しそジュース」(450円)などのほか、地酒を中心に紹介する「今週の日本酒メニュー」も。使用する器は、金子さんが愛用しているものや知り合いの作家のものから、料理と合うものをセレクトしたり、好きなものを選んでもらったりしている。

 金子さんは横浜市出身。大学時代、和食店でアルバイトをしたことがきっかけで、調理師免許を取得。卒業後は広告制作会社に勤務しながら、プライベートで友人を招いて料理の腕を振るっていたという。2005年にマツーラユタカさんと同ユニットを結成。「人と人とのつながりで、徐々に仕事が増えていき、少しずつ自分たちのやりたいことに近づいていった」。2008年以降は、同ユニットの活動に専念するようになった。

 3年ほど前から、妻の実家がある市内と都内の仕事場を行き来しながら活動をする中、「松本に拠点を持ちたい」と考えるようになったという。東京・吉祥寺と松本をつなぐイベントで「栞日」店主の菊地徹さんと交流を深め、一昨年から料理イベントを定期的に開催。同店が移転する際に、「1階を使って店をやらないか」と誘われ、少しずつ準備を進めてきた。「妻の実家を手伝い、農業に携わるようになってきて、あらためて生産者のすごさを感じている」と金子さん。「これまでのつながりを大事にしながら、生産者や器の作り手とお客さんをつなげる場にしていきたい」とも。

 営業時間は、木曜=11時30分~19時、金曜・土曜=11時30分~20時(いずれもラストオーダー)。日曜~水曜定休。

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