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松本の書店「栞日」が移転オープン 旧店舗は「仮暮らし」ホテルに改装中

2階には書籍や雑貨が並ぶ

2階には書籍や雑貨が並ぶ

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 松本・駅前大通り沿い、まつもと市民芸術館近くの書店「栞日(しおりび)」(松本市深志3、TEL 0263-50-5967)が7月9日、東に50メートルほど移転オープンした。

存在感のある活版印刷機

 前店の5軒隣、「高橋ラジオ商店」だった建物を改装。店舗面積は1階・2階合わせて約40坪。カフェスペースも設け、18席を用意する。扱うのは書籍、雑誌、リトルプレスのほか、雑貨なども。ギャラリールームも設け、展示やイベントも定期的に開く。

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 移転のきっかけは、「プラテンT型」という活版印刷機。「使わなくなった同機を引き継ぐ先を探しているという話を聞き、ぜひ引き取って稼働させたいと思ったが、前の店は十分なスペースがなかった」と店主の菊地徹さん。何かいい手はないか、と考えていたところに同物件の話が舞い込んだ。「使い手が見つからなければ更地にして駐車場にすると聞き、ひとまず内覧をした。それで気持ちが固まった」。4月下旬から、下諏訪を拠点に空間デザインを手掛ける「medicala(メヂカラ)」と共に改装を進めてきた。

 前店は現在、宿泊施設としてリニューアル中。1回1組限定、中長期滞在向けの宿として9月のオープンを目指す。「移住の一歩手前、『仮暮らし』ができるホテルとして、移住を検討している人や働く環境を変えてリフレッシュしたい人などに利用してもらえれば」と菊地さん。改装費用はクラウドファンディングでも募り、260人を超える賛同者を得て目標金額を達成した。「皆さんに、スタート地点に立たせてもらったと思っている」。ホテルを開いた後、活版印刷機を動かせるように準備を進めるという。「年明けくらいから活版印刷の受注もできるようになれば」

 菊地さんは静岡市出身。大学卒業後、松本市内の旅館や軽井沢町のパン店で働きながら接客の経験を積み、2013年8月に同店を開業。周辺の店舗と共にスタンプラリーやイベントを企画したり、今月5日~7日に木崎湖で行った「ALPS BOOK CAMP(アルプスブックキャンプ)」を主催したりと、さまざまな取り組みを展開している。「松本の文化的な独自性をさらに深めたら、日本に唯一無二の、世界に誇るクリエーティブな街になると信じている」と菊地さん。「これからも、まだあまり気付かれていない街の文化的な可能性を掘り起こし、耕していきたい」と笑顔を見せる。

 営業時間は8時~18時(9月末ごろまでは7時~)。