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松本で食のブランド「ちゃんと てーぶる」 音文ホールにアンテナレストランも

「三才山農園なかや」のイチゴを手にする木内さん

「三才山農園なかや」のイチゴを手にする木内さん

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 松本・中町の「時代遅れの洋食屋 おきな堂」(松本市中央2)が、食のブランド「Chant Table(ちゃんと てーぶる)」を立ち上げた。

生産者の仕事に対する姿勢や思いを紹介する冊子も

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 野菜、果物、豚肉、鶏肉、卵など松本・安曇野を中心に県内の7軒の生産者の食材を扱う同ブランド。応援歌を意味する「チャント」と、真摯(しんし)に向き合う姿勢「ちゃんと」の思いを込めた。同店店主の木内伸光さんは「食材本来の味、洋食本来の味を届ける取り組み。自分が『おいしい』と思うものだけを自信を持って提供したいという思いがずっとあった」と話す。

 同店は1933(昭和8)年創業。木内さんは、大学を卒業して県内の金融機関に勤めた後、2005年に家業を継いだ。子どものころから食卓には、畑仕事もしていた創業者の祖父が作った野菜が並んでいたという。「自分が何をすべきか考えたときに思い浮かんだのは、幼いころから食べていた野菜の味と祖父の背中だった」と木内さん。自給自足を目指し、野菜作りにも取り組んだ。5年ほど前から安曇野の「さゑわいふぁーむ」に契約栽培を依頼するようになったが、「食べたいものがあって来店する人に、別のものを勧めるのは難しい。でも、伝えることはできるのではないか」と考え、一昨年末からブランド化の準備を始めた。

 声を掛けたのは「さゑわいふぁーむ」をはじめ、木内さんが野菜作りをしていたころに出会い、畑を行き来して勉強させてもらった人たちが中心。「全て見せてもらって、納得したものを使っている。味はもちろん、生産者の皆さんが語る言葉や人柄も含めて信頼している」。それぞれの生産者を取材し、仕事に対する姿勢や思いを紹介する冊子も作成した。

 準備を進める中、音楽文化ホールから昨年末に話があり、アンテナカフェレストラン「ちゃんと てーぶる」(島内、TEL 0263-48-3830)も構えることに。ランチタイム(14時まで)は「三澤豚メンチカツのワンプレートランチ」(1,000円)、「本日のパスタランチ」(1,250円)などを用意する。「メニューは試行錯誤しながら今後増やす予定。6月はトマト、7月はスイカ、秋にはリンゴと季節に合わせて提供していきたい」

 同ブランドの食材を使ったメニューは、「おきな堂」と中町のギャラリーショップ「手仕事商會すぐり」(中央3)でも扱う。「いずれは食材の販売も行っていきたい」と木内さん。「作り手とお客さまをつないで、良いものを多くの人に食べてもらえる、喜んでもらえるような仕組みを、時間をかけて作っていければ」と意気込む。

 アンテナカフェレストランの営業時間は11時~18時(ホールイベント時は延長)。月曜定休。

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