実演やワークショップなどでクラフトと触れ合うイベント「クラフトピクニック」が10月15日・16日、松本・あがたの森公園(松本市県3)で開催された。主催はNPO法人松本クラフト推進協会。
木工、ガラス、染色、陶磁器などのクラフト部門と食品部門を合わせた105組がワークショップや実演をメインに出展。両日とも天候にも恵まれ、青空の下、木工のおもちゃで遊ぶ子どもたちや、ご飯を食べながらくつろぐ家族連れも多く見られた。
今年の招待出展は徳島県でおけやたるの製作・修理をしている「司製樽」。カンナを使って木材を削り、竹を割いて作ったタガを使ってたるを組む実演のほか、名前を書いてもらった木板を組み立て、タガ入れをする体験も行った。懸命に木づちを振るう子どもや、出来上がったたるに名前を見つけて一緒に写真を撮る親子も。「気軽に体験できるような方法を考えた。たるやおけを少しでも身近に感じてもらえればうれしい」と同社の原田哲司さん。
塩尻市でナイフやアクセサリーの加工を行っている「ヒラバヤシヒデユキカコウジョ」の平林秀幸さんは、おやつナイフ作りのワークショップを開催。ストック&リムーバル方式で、切り出した真ちゅうをやすりで削って1時間ほどで仕上げる。やすりの角度や力の入れ具合など、平林さんのアドバイスを聞きながら、参加者は真剣なまなざしで磨き上げていた。
「ものを使う人と作る人が出会い、ものづくりの過程を楽しむ」ことを目的とした同イベントは、今年で15回目。これまで出展者は県内が中心だったが、今回は県外もやや増えたという。「地元にこだわっていた部分もあるが、もっとさまざまな技を見ることができればと少し視野を広げた」と実行委員長の萱野由記さん。「天気が良かったことが何より。作り手の思いや技に触れるいい機会になったと思う」と振り返る。