松本の多目的スペース兼バー「Give me little more.(ギブミーリトルモア)」(松本市中央3)で7月10日・11日、映画「怒れ!憤れ!-ステファン・エセルの遺言-」の上映が行われる。
同作は、ナチスに対して声を上げるなど元レジスタンス闘士として活躍したステファン・エセルの著書を映像化したもの。アフリカからヨーロッパへ移民した一人の少女の物語が、2011年のヨーロッパ各地での実際のデモの中で描かれ、「非暴力のパワー」を訴えるエセルのメッセージと重なっていく。
「『人間は誰も違法ではない』というメッセージが印象に残った。参加者という言葉で抽象化されてしまう個人の、一人一人の表情がしっかりと映っているのも魅力の一つ」と同店の新美正城さん。NPO法人「コミュニティシネマ松本CINEMAセレクト」の宮崎善文理事長から勧められて試写し、デモの風景を映画の中でそのまま使用しつつ、フィクションとして制作されている点に興味を持ったという。「日本でもデモという言葉を耳にする機会が増えた。デモとはどういうものなのかを知るきっかけにもなる」と上映を決めた。
「タイトルからは激しい印象を受けるかもしれないが、根底には人間愛がある作品」と新美さん。「政治的な作品のようで、とても抽象度の高い詩的な作品でもある。アート系が好きな人にもお勧め」とも。
上映は各日20時~、22時~(各回入れ替え制)。チケットは前売り=1,000円、当日=1,200円。予約・問い合わせはメール(give.me.little.more@gmail.com)または新美さん(TEL 080-5117-0059)まで。