信州大学全学教育機構は今年4月から、松本山雅F.C.による寄付講義「地域密着のプロスポーツプロモーション・ゼミ」を始めた。
地元プロサッカーチームの活動を学び、学生のコミュニケーション能力を高めることを目的とする初めての取り組み。全学部対象の教養科目で、1年生を中心に20人が受講する。初回は運営会社の大月弘士社長が同クラブの歴史や理念を話し、その後もゼネラルマネジャーの加藤善之さんや、イベントを担当する社員などが週替わりで講師を務めている。
5月21日は、グッズを担当する塩川由貴さんが製作の工程や方針、これまでの取り組みなどを紹介した。「トライアンドエラーを繰り返す中で、精度は上がってきている」と塩川さん。反響が大きかったグッズや、失敗したときのエピソードなども交えながら話した。
講義の後半は、5人1グループとなりワークショップを行った。学生たちは集客イベントやグッズを企画し、8月24日にアルウィンで行われるモンテディオ山形戦で実践する。当日は「レディースデー」のため、女性向けのグッズについて話し合った。宿題となっていたグッズのアイデアを各自が発表し、グループごとにブレスト。「何かのキャラクターとコラボしたい」「信大ならではのことができれば」などの意見を交わした。
今後もグループワークを重ね、同クラブと連携しながらプロモーション実施に向けて準備を進める。「半数以上は山雅を知らないという学生だったが、クラブの取り組みや思いなどを聞くうちに興味を持ち始めている」と同大総合人間科学系・橋本純一教授。「講義を通じて、企画力、チームワークなどを養成し、地域貢献に携わっていければ」と話す。