松本市を中心に美術館、博物館、あがたの森公園など約50カ所で展示やワークショップなどを行う工芸イベント「工芸の五月」が4月29日から始まる。
今年で8年目となる同イベント。松本と工芸の深い関わりに着目し、毎年5月を「工芸月間」として開催する。市内を中心に、ギャラリーや美術館、飲食店でさまざまな企画展が行われるほか、ワークショップや街歩きツアー、商店街や信州大学の学生たちによるイベントなども。「工芸を見て楽しむことはもちろん、実際に体験できるものも多い」と同企画室室長の田中一光さん。「参加ギャラリーの企画展も、街を歩きながら楽しんでもらえれば」と話す。
同企画室主催のイベントもここ数年で定着。子どもの感性を育み、ものづくりに触れるきっかけにと始まった「はぐくむ工芸」は3年目となる。「子ども椅子展」では市美術館(松本市中央4)の中庭の芝生の上に70脚以上の小さな椅子が並ぶ。同館子共創作館では「奏でる工芸」として、市内の弦楽器職人・井筒信一さんの工房を再現。制作の実演やバイオリンの材料を使ったワークショップを行う。
4年目となる「ほろ酔い工芸」は市役所近くの三代澤酒店(大手4)で開催。陶器・磁器、スズ、ガラスという3種の素材による酒器で、信州産クラフトビールやシードルという「泡もの」が楽しめる。「気に入った器を長く使ってほしい」という思いから、器1点(スズの器は別途)と飲み物1杯、おつまみを参加費(3,000円)として設定。購入した器でおかわり(別料金)もできる。
今年はオフィシャルガイドブックを刷新。ページ数を増やし内容を充実させて有料化した。「このガイドブックがあれば、5月だけではなく年間通じて松本の町を、工芸を通して楽しんでもらえると思う。ぜひ手に取っていただければ」と田中さん。価格は500円。現在、市内各施設・店舗やホームページで販売している。
開催は5月31日まで。