松本在住のイラストレーター・スズキサトルさんと絵本作家・まつしたさゆりさんが共作した絵本「きょうりゅう」(えほんの社)が7月7日、刊行された。
同書は「自然に興味を持ち始めた子どもに今までにないようなシンプルで美しい絵本を見せたい」という思いから生まれた「ファーストネイチャーブック」シリーズの第1弾。図鑑を手にする前の導入絵本として親子で楽しめるようにと、「めくって・あてる」形式で骨のシルエットからどんな恐竜なのかを想像できるようにしている。
スズキさんとまつしたさんは夫婦で、共作は今回が初めて。「自然をテーマにしたシンプルな絵本を」と考えてラフを作成する中、「これはスズキの絵で行こうと思った」とまつしたさん。「途中でけんかもしたが(笑)、それもお互いにいいものを作りたいという思いがあったから。いろいろなアイデアが生まれて面白いものになった」と振り返る。
今年3月、食物アレルギーのある息子のために、学校給食対応が進んでいるという松本へ親子3人で移住。自然あふれる環境で子育てしたいという思いや、スズキさんが野外生活の知恵を、キャンプを通して見直す「ブッシュクラフトワーク」の活動を本格的にしたいという思いも重なり、移住を決意したという。イタリアが好きだというスズキさんは、松本をフィレンツェと重ね、「フィレンツェは町の中心にサンタ・マリア大聖堂があり、松本は松本城がある。その周りに主要施設が点在し、芸術や文化の全てがギュッと集まり、昔の町並みも残されている。工房の町というところも似ていて、古いものを大事にしながら新しいものを生み出せるところ」と話す。
「山に囲まれた松本は自然の恩恵を受け、人間が自然の中で生かされていることを感じさせてくれる」とまつしたさん。「今後は豊かな自然やものづくりをする人々に触発されながら絵本の創作活動をしていきたい」とも。
絵本は18.2センチ四方、40ページ。価格は1,000円(税込み)。