松本市在住の漫画家・鈴木ともこさんが、北アルプス槍ヶ岳を題材にイラストを描き下ろしたTシャツとバンダナが、現在、槍ヶ岳山荘で限定販売されている。
Tシャツは、迫力あるゴツゴツとした槍ヶ岳の穂先をモチーフにした「YARI PEAK T」と、鈴木さんの著書「山登りはじめました2」に登場する「槍ともこ」というキャキャラクターを描いた「ENJOY YOUR HIKE T」の2種類。汗のべたつきを抑える速乾性に優れた素材や、消臭効果のある糸を使用するなど機能面をはじめ、シルエットやライン、着心地まで細部にこだわった。4サイズ展開で、カラーはピンク、ライトブルー、カーキ、ブラックの4色。
バンダナは53センチ四方で、レッド、ライトブルー、イエローの3色。中央に太陽や雲、星などをちりばめ、周りにリュックサックやカメラなど登山にまつわるものを配した。「単なる『お土産』ではなく、下山後、普段の生活でも使ってもらえるデザイン、質のものにしたかった」と鈴木さん。「どちらにも『Enjoy』という言葉を入れた。山でも街でもその気持ちを膨らませてくれるものになれば」と話す。
数年前、同山荘を経営する槍ヶ岳観光の穂苅康治社長から「イラストを使ったグッズを作りたい」と依頼があったことがきっかけ。鈴木さんが、アウトドアブランド「アンドワンダー」(東京都)に相談したところ、同社の池内啓太さんの妻が同グループの槍沢ロッヂで夏場働いていたことが分かり、3者がコラボすることになった。「鈴木さんのイラストの、手描きの温かさに引かれた」と穂苅社長。「飽きることなくずっと大切に使えると思う。われわれの感性ではできないような、とてもかわいらしくすてきなものに仕上がった」と目を細める。
鈴木さんは2011年に松本に移住。「槍ヶ岳に実際に登ったのは1回だけだが、私にとって特別な山。どこから見ても『槍だ!』と一目で分かる凛々(りり)しい姿が何よりも魅力的。松本の街から『槍の穂先』を見かけるだけもテンションが上がり、幸せな気持ちになれる」と槍ヶ岳への思いを話す。
販売は槍ヶ岳山荘のみ。「登った人にしか買えないというのも魅力の一つ」と鈴木さん。「槍ヶ岳の臨場感や登山の楽しい記憶を、日常でも思い出してもらえれば」とも。
価格はTシャツ=4,000円、バンダナ=1,200円。