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松本市美術館「柳宗悦展」-民芸品など400点、ギャラリートークも

朝鮮白磁「染付秋草文面取壺」について解説する様子

朝鮮白磁「染付秋草文面取壺」について解説する様子

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 松本市美術館(松本市中央4、TEL 0263-39-3400)で現在、「柳宗悦展-暮らしへの眼差し-」が開催されている。

旧柳宗悦邸の応接室を再現したコーナー

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 柳宗悦(1889-1961)は、無名の職人たちの技術によって生み出される日用品の数々に美を見いだし、日本各地の手仕事を調査・収集。ごく当たり前の安物という意味で使われていた「下手物(げてもの)」という言葉に変え、「民衆的工芸」という意味で「民芸」という言葉を使い始め、日本民芸の祖と呼ばれている。1936(昭和11)年には日本民芸館(東京都)の初代館長に就任。以降、同館を拠点に工芸調査や収集、執筆活動を展開してきた。

 会場は5章で構成。朝鮮白磁や日本古陶磁、日本各地への調査で再発見した「木喰仏(もくじきぶつ)」、沖縄の紅型(びんがた)やかすりの衣装、アイヌの装身具など約400点を展示する。通常非公開となっている、日本民芸館西館(旧柳宗悦邸)の応接室を再現したコーナーも用意。宗悦自身が選んだ調度品の中には、民芸運動を実践面から支えたバーナード・リーチ、濱田庄司、河井寛次郎、棟方志功らの作品も並ぶ。ほかに、美しさとは何かを問い続け、晩年に作った短文の句「心偈(こころうた)」や日本民芸館の3代目館長を務めた長男・宗理のプロダクトも紹介する。

 6月1日には「ギャラリートーク」が行われ、同館学芸員の武藤美紀さんと共に30人ほどの参加者が展示室を回った。「パネルによる解説は最小限にした。皆さん真面目で、つい文章を読み込んでしまうので…読むだけではなく、しっかり見てほしい」と武藤さん。何度も松本を訪れている宗悦と、丸山太郎、三代澤本寿ら地元の作家たちとのエピソードを交えながら解説を行った。

 「年配の方から若い年代の方まで、幅広い方々に足を運んでいただいている」と武藤さん。「宗悦が何に美しさを感じたのかを通覧できる。一つ一つの作品とゆっくり向き合って、宗悦の美の世界を感じてもらえれば」とも。

 開館時間は9時~17時。入場料は、大人=1,000円、大学生、高校生、70歳以上の松本市民=600円、中学生以下無料。月曜休館。 6月9日まで。「ギャラリートーク」は同8日にも行う。

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