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松本のホテル内に手網焙煎コーヒー店「されど」-東京の夫婦が開く

落ち着いた雰囲気の店内

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 松本駅近くの「ホテル1-2-3よろづや松本」(松本市中央1)内に2月26日、コーヒー店「手網焙煎豆珈琲 CAFEされど」(TEL 080-4198-4092)がオープンした。

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 店舗面積は約8坪。席数はカウンターとテーブルで11席。ダークブラウンと白を基調とした店内で、カウンターはムク板の古材、テーブルは木曽の職人にオーダーしたものを使う。同店を営むのは海老原拓夫さん(60)、博子さん(59)夫婦。

 豆は、一粒一粒選別した生豆を、手網(取っ手の付いた金製の網)を使って焙煎(ばいせん)。コーヒーはネルドリップでいれる。「グァテマラ」(530円)や「タンザニア」(600円)のほか、独自にブレンドしたメニューも用意する。現在は季節限定で、バニラアイスクリームに深いりコーヒーを掛けた「アフォガート」(700円)も。豆の量り売りや生豆の販売も行う。

 軽食の「天然酵母パンのハムサンド」(500円)、「牛スジ肉カレー」「ドライ豆カレー」(以上700円)は、ランチタイムにはブレンドコーヒーとのセットで提供する。夜は塩尻市洗馬産のワインや日本酒をメーンにアルコールもそろえる。「自分で味を見て確かだと思ったものを出す。食事メニューで使う食材は県内産のものを使うように心掛けている」

 東京で編集やデザインの仕事に携わっていた拓夫さんだが、還暦を機に第二の人生を考え始めたという。「飲食店を開きたい」と思っていた博子さんを思い、「やりたいことがあるなら今度は自分がサポートしたい」と東京で飲食店を開こうとしていた矢先に東日本大震災が起きた。自主避難を決め、登山で訪れたことのある松本での開業を決意。物件を探しに来た際に同ホテルに宿泊し、従業員に「店を開きたい」と話したことが同ホテルの経営者で建築家の倉橋英太郎さんの耳に入り、倉橋さんの協力の下、開業が実現した。「松本でのいろいろな人との出会いがラッキーの連続で…感謝している」

 物件を探す中で市街地の空洞化が気になったという拓夫さん。「県外者の視点で松本を見つめることで、地元の人が気付いていない方法が見つかると思う。地域活性化につなげる『松本ファンクラブ』を作りたい」と話す。店内には「発表したくてもできない人のための場所」としてフリースペースを設けた。「松本という街で暮らす人たちの生活に密着した場所になれれば」とも。

 営業時間は11時30分~21時30分(ラストオーダー)。月曜定休。

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