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松本青年会議所60周年-この街に、種をまく活動を

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松本青年会議所(松本JC)は今年9月で60周年を迎えた。地域で行われるさまざまなイベントで、「JC」という文字を目にしたことがあるという人は多いはず。しかし、JCがどういう組織で、どういう考えで活動しているのかは、実際に関わったことがなければ意外と知らないという人も多いのではないか。何を目的として、普段からどのような活動をしているのかを、第60代理事長・伊藤総一郎さんに聞いた。

松本青年会議所 第60代理事長 伊藤総一郎さん

松本青年会議所 第60代理事長 伊藤総一郎さん
1980年、松本市生まれ。ガス・燃料販売を行う「松本事業」(松本市島内)管理部部長。 2013年度にJC入会。地域の人々に「心の燃料」を届けるべく、日々奮闘する一児の父。

目指しているのは「よりよい社会づくり」

― JCとは、一体何なのでしょう?

私たちが目指しているのは、よりよい社会づくり。自分たちの街に少しでもよい変化が起きるように、住んでいる人たちの意識を変わるようにと思いながら活動しています。JCには性別・職業問わず20~40歳の人が加入していて、40歳になると卒業することになります。組織としては「公益社団法人日本青年会議所(日本JC)」から独立したかたちで、全国各地にそれぞれJCが存在しています。

― 県内各地にもJCがありますが、それぞれ独立した組織なんですね。

はい。県内で一番古いのは長野で、松本は2番目。立ち上げ当初は35人でした。メンバ-は多いときは120人ほどでしたが、ここ数年は80人前後で、30代後半が多いです。

今年1月の新年総会
今年1月の新年総会

― 普段はどういった活動を?

毎月開催する「例会」と、「事業」と呼ばれるイベント、そしてメンバ-が所属する委員会の活動が主です。今年度の委員会は8つあり、「まちの魅力発信委員会」「未来の宝育み委員会」など、それぞれが1年間の方針と事業計画を決めて取り組んでいます。例えば、7月にeスポ-ツをきっかけに若者視点で街づくりを考えるイベント「若者よ大志を抱け~まちにワカモノゴコロを~」を実施したのは「まちの活力創造委員会」、先日の60周年記念式典で発表した「10年後のビジョン」「宣言文」の策定を担当したのは「まちのビジョン発信委員会」です。

― JCの中に、委員会があって、それぞれが活動しているんですね。

eスポ-ツなど若者が興味を持てるような取り組み、インバウンド、信州まつもと空港の活性化、子どもたちのリ-ダ-育成などが今年のトピックになると思います。JCは「単年度制」なので、毎年新たな委員会が立ち上がり、メンバ-も変わります。

先輩方が積み上げたものを生かして「選ばれる街」に

― 「単年度制」というのは大きな特徴ですね。

役職も1年で変わりますし、松本JCでは、長く在籍していても再度同じ役職に就くことはできないようになっています。これは、メンバ-に多様な機会を提供したいという考え方からです。その年の方向性は理事長が決めることになっていて、「理事長所信」を基に1年間活動します。今年は60周年記念事業と、次の10年、70周年に向けてのビジョンづくりに重きを置きました。節目の年ということもあり、あらためて多くの人に松本JCを知ってほしいという思いもあります。

― 毎年方向性が変わると、事業の継続は難しいのでしょうか?

自分たちでずっと続けていくというよりは、「種を植える」という感覚に近いです。「こういうことがあればいい」「今、あるものがもっとこうなればいい」というようなことを、考えて、始めてみる。実際に、先輩方がそうやって植えた種が、芽吹き、大きく成長していったものもたくさんあります。例えば、松本山雅FCや、アルプス公園、そして「サマ-フェスト」や「MISOさんぽ」のイベントなどがそうです。

サマーフェスト2018
2018年の「サマーフェスト」では、「キッチンヤマナミ」を復活

― そういった「種」はどのようにして生まれるのでしょうか?

「自分がやりたいこと」というよりは「街のために何ができるか」という視点ですね。1年という限られた時間ですが、イベントをすることが目的なのではなく、その先に何を見出すのか、街に何を根付かせたいのかを考えることが大事だと思っています。こういうと、志が高くないとメンバ-になれないような気がするかも知れませんが、JCにいると自然と熱が高まるんです。私自身、最初は先輩に誘われてなんとなく入ったんですが、同期の話を聞いているうちに感化されました。

― 60周年記念式典が終わりましたが、今後は?

式典のあいさつでも触れましたが、現在、街づくりというと、JCに限らずさまざまな団体が活動しています。昔は「JCがある」だったものが、今は「JCもある」という時代です。その中で、JCがどういう役割を担うべきなのか。松本は「住みたい街」「暮らしたい街」と言ってもらえることが多いのですが、これはとても恵まれていることだと思っています。物質的に恵まれていても何か物足りないと感じている人が多い中、そこを補うものは心、気持ちの中にあるものなのではないか。そこにヒントがあるような気がしています。
これから先、松本がより「住みたい」「暮らしたい」「行ってみたい」と思ってもらえるような街になれるように、JCができることはまだまだあると思います。これまで先輩方が積み上げてきたものというアドバンテ-ジを生かしながら、「選ばれる」街になるための種まきをしていきたいですね。

60周年記念事業
60周年記念事業では歴代の活動を振り返るパネル展示も

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北信・東信地域を中心に台風19号の被害を受けた長野県内。10月16日には、松本JCと災害協定を結んでいるみゆき野JCからい依頼を受けて、飯山市のボランティア活動に参加。17日は朝夕、松本駅前で街頭募金活動を行った。「街のために何ができるか」という思いが集結するJCは全国各地にある。その思いの強さ、そして連携力をあらためて感じた。

街頭募金活動の様子
募金活動は18日7時~8時30分、17時~18時30分にも行う予定

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