「サイトウ・キネン・フェスティバル・松本(SKF)」が8月8日、開幕した。
20回目の節目となるSKF。今年はオーケストラコンサートをはじめ、初となるバレエ公演「中国の不思議な役人」やオペラ「青ひげ公の城」、まつもと市民芸術館との共同制作となる舞台「兵士の物語」など19公演を行う。
9日には、詩人・谷川俊太郎さんとピアニスト・谷川賢作さん親子による親子招待コンサート「ことばと音楽を楽しもう!」が松本市あがたの森文化会館講堂で行われた。招待公演は昨年に続いての開催で、幼児や小学生の親子119組、約300人が参加した。
俊太郎さんは自身の詩を20編ほど朗読。「(読み終わった後)拍手がないとしょぼんとしちゃうから、拍手で乗せてあげて」と賢作さんが話すと会場からは笑いと大きな拍手が。「朗読は、どこで終わるかわからないから拍手のタイミングが難しいんだよね」と賢作さんに言われた後、俊太郎さんは詩の最後に「…終わり」と付け加えるなど、親子ならではの掛け合いが随所に見られた。詩の合間には、ゲストに迎えたハーモニカ奏者の続木力さんと賢作さんが演奏。俊太郎さんが作詞した「鉄腕アトム」の歌をジャズバージョンで披露する場面も。床に敷かれたマットの上に座り、大人も子どももリラックスした雰囲気で詩や演奏に聞き入っていた。
震災後、動画が話題となった詩「生きる」について「(震災があったからというわけではなくて)いつでも、平常心を失いたくないというのが僕の思い」と触れた後に朗読。アンコールでは「朝のリレー」を朗読し、最後は井上陽水さんの「少年時代」を演奏して約1時間の公演を終えた。
今後は、関連事業として、松本城での合同演奏会(20日)、スクリーンコンサート(26日・全国5カ所)なども開催する。市内での開催は31日まで。その後、9月1日~11日は初となる海外での「引っ越し公演」を行い、中国の北京・上海で11公演を予定する。