松本のギャラリーカフェで篆刻メーンの作品展-作家が急逝、妻が作品選ぶ

温かみのあるデザインの篆刻。

温かみのあるデザインの篆刻。

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 松本市のギャラリーカフェ「Gargas(ガルガ)」(松本市深志3、TEL 0263-39-5556)で現在、「松本全廣(ぜんこう)のつくったもの展」が開催されている。

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 松本さんは神奈川県出身。14年ほど前に東御市に移住し、篆刻(てんこく)をメーンにさまざまなジャンルの作品を作り続けてきた。宮坂醸造(諏訪市)が販売する日本酒「真澄」のお祝いボトルなどのラベルのデザインを担当したことも。しかし、昨年12月に急逝。同店は松本さんと以前から付き合いがあったため「何かしたい」と妻の冬美さんに作品展を提案。急きょ開催が決まった。

 ギャラリーには篆刻や書、オブジェ、絵画などさまざまなジャンルの作品約70点を展示。箱物のオブジェは、中に絵の具のチューブや古びた配線コード、切手、縄など日常生活でよく目にするような素材が不思議なバランスで配置されている。奥には大きな木を描いた絵画があり、その下には冬美さんが制作した陶器の鳥のオブジェも並ぶ。近年、メーンとして制作していた篆刻は、「Enjoy」「楽福」などの文字を彫ったものや、動物や七福神などのイラストを彫ったものなど30点を展示する。

 冬美さんは「せっかくだから」と、篆刻だけでなく過去のさまざまなジャンルの制作物の中から作品を選んだ。「打ち合わせに伺ったとき、あまりの作品の多さにどこから見ればいいかわからなかった」と同店オーナーの熊谷俊行さん。「しまい込んだままで忘れている作品もまだあると思う(笑)」と冬美さんは話す。

 「鉛筆や彫刻刀、筆…。彼は手の中に何もないときはなかった。『頭と言葉(説明)』の人ではなく、『手と目』の人だったと思う」と冬美さん。「本人は遊びに近い感覚で、作りたいと思うものを楽しく作っていたと思う。みんながみんな好きではないかもしれないけれど、彼にぜひ『会って』ほしい」と優しく話す。

 作品は販売も行う。価格は、篆刻=2,625円、絵画=21,000円~、オブジェ=3,150円~など。

 営業時間は11時~20時。火曜と第1・3月曜定休(9月21日・22日は営業。24日は休み)。入場無料。9月27日まで。

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