松本平にある13の蔵元でつくる「松本酒造協会」は4月11日、市の中心市街地で地酒の飲み歩きイベント「信州松本2009おらが酒 呑み歩き」を開催、多くの市民や桜見物帰りの観光客が地元の新酒などを楽しんだ。
初開催となる同イベントでは、松本パルコ前の中央西公園と中町の蔵シック館を会場に、蔵元が搾りたての原酒や新酒などを出品。チケットは、前売り分として600枚を販売したほか、開催当日も松本城帰りの花見客やガイドブック片手の観光客などが当日券を買い求めた。参加者はパスポートを首に掛け、そろいのおちょこを手に各ブースを回り、それぞれの味を楽しんだ。
会場中心には同組合に加盟する蔵元の酒をすべてブレンドした「松本の酒」と名付けた酒だるを用意。オープニングの鏡開きで使われ、その後参加者に振る舞われた。中央西公園の会場では8つの蔵がブースを出店。このほか地元の味噌蔵が豚汁を振る舞ったり、食堂組合青年部が松本名物の「山賊焼き」を販売し、それぞれ長蛇の列ができていた。蔵シック館会場では5つの蔵のブースを展開したほか、昨年設置された井戸に人が集まり、名水100選に選ばれた井戸水でのどを潤していた。
会場間の伊勢町通りや本町通り、花見客でにぎわう松本城公園などでも、目印であるパスポートを首に下げたほろ酔いの参加者が行き交った。周辺商店街では27店舗がイベントに協賛。パスポート提示で割引などのサービスを行った。
県内各地で日本酒の飲み歩きイベントが行われている。「地元の酒を市民に知ってもらうために、松本でも行いたかった」と話す同協会理事長竹本祐子さん。同協会に加盟する酒蔵は松本平に点在するため、「酒蔵が集まって、飲み歩きしてもらいやすいように」と今回の開催に至ったという。「今年は暖冬でそれぞれの酒蔵が苦労をしたが、酒蔵ごとに特徴のあるいい酒が出来上がった。今後も定期的に行っていきたい」とも。