松本のギャラリー「ギャルリ灰月(かいげつ)」(松本市中央2、TEL 0263-38-0022)で現在、作家5人の陶器展「小さな花入れと日常の器」が開催されている。
出品するのは小山乃文彦(のぶひこ)さん、今野安健(やすたけ)さん、住田文生さん、中西申幸(しんこう)さん、長谷川奈津さんの5人。全員が県外出身で、この5人がそろった作品展は同店では初となる。
新生活が始まるこの時期の開催を予定して、昨年6月ごろ、同ギャラリーオーナーの滝澤充恵さんが、同店で作品を扱ったことのある5人にあてて「気分を変えたいときに食卓に盛り込んで楽しいものを」と提案。「器、めし碗、花器の制作は必須」という参加条件があったものの5人とも快諾、今回の開催にこぎ着けた。「新生活は『白』のイメージだったので、『白い』作品を作っている作家さんにお願いした」(滝澤さん)。
ギャラリーにはさまざまな「白」の作品150点近くが並ぶ。今野さんは磁器、そのほかの4人は粉引(こひき)の作品を出品。黄色がかった白や青みがかった白など、作家によって「白」の雰囲気が異なる。器は、大皿や小皿、鉢など数種類が並び、花器も大きさ、形などさまざま。参加条件以外の土瓶や急須なども展示する。
唯一磁器の作品を出品する今野さんは、山形県で活動中の作家。「しのぎ」と呼ばれる、側面を削って筋を作る技法を施した作品が多い。白磁のくみ出し湯飲みは、「しのぎ」の部分から光が透けて見えるほど薄く削られている。会場では、作品を光にかざしながら「きれい」と眺める来場者も。
同展では、あえて作品に作家名を記載せずに展示。「作者に関係なく、気に入ったものを手に取ってもられば」と滝澤さん。「展示が終わっても常設として置く予定。とてもきれいな作品ばかりなので、ぜひ見てもらいたい」とも。
作品はすべて販売する。価格は、皿=1,260円~、めし碗=2,625円~、湯のみ=2,100円~、花器=1,890円~など。営業時間は、日曜・月曜・火曜=11時~18時30分、木曜・金曜・土曜=10時30分~19時。水曜定休。入場無料。4月5日まで。