インターネットでラジオを放送と同時に聞くことができる「radiko.jp」が10月3日、長野県内で実用化試験配信を開始した。
同サービスは、radiko(東京都港区)が運営するIPサイマルラジオ。インターネットを利用し、地上波ラジオ放送をCMも含め、そのまま同時に配信する。都市部における高層建築、雑音などによる難聴取の問題やそれに伴う端末の減少化対策として、地上波ラジオを補完することを目的に昨年12月から配信を開始。10月からは長野地区に加え、静岡、石川、鹿児島でも試験配信がスタートした。参加局は23都道府県、49社54局(2011年10月現在)。本年度中の全国のラジオ局の参加と全国各地への配信を目指す。
長野地区では信越放送とFM長野が参加。半年後をめどに本配信を目指す。聴取者は、PCやスマートホンなどでサイトにアクセスするか専用ガジェット(アプリ)をダウンロードすることで聴くことができる。
3日には、両局のパーソナリティーなどが参加して共同説明会が行われた。信越放送取締役ラジオ局長・田中穂積さんは「当社は今年、創立60周年を迎える。デジタル放送を開始することは、技術的にも新たなスタート」とコメント。「今の中学生や高校生はラジオ端末を持っていない人も多いが、パソコンや携帯電話で聴けるようになるので若い世代にも受信機会が増える」と話す。
長野エフエム放送取締役放送部長・正村文彦さんは「県内は山の陰などで放送がクリアに聴こえない地域もあったが、これでより広い地域で聴けるようになる」と話し、「難聴取や『ラジオの若者離れ』が解消され、より幅広い世代の方々に聴いてもらえれば」と期待を寄せる。