振付師の近藤良平さんによるワークショップ「動きの発明Vol.2」が5月21日、まつもと市民芸術館(松本市深志3、TEL 0263-33-3800)で行われた。
近藤さんはダンスカンパニー「コンドルズ」主宰。NHK総合「サラリーマンNEO」内の「テレビサラリーマン体操」や連続テレビ小説「てっぱん」の「てっぱんダンス」など多岐にわたる活動を展開している。同館でのワークショップは昨年10月に続いて2回目。今回は5月と6月に1日ずつ開催するが、「とても好評で、両日ともすぐに定員に達してしまった」と同館企画制作担当の大塚千枝さん。
当日は、20~60代の男女30人が参加した。まずは2人組で体を伸ばすことからスタート。前屈では「片手で隣の人の肩を持って曲げるといつもより大きく曲がる」と近藤さん。最初は半信半疑という感じの参加者だったが、実際にやってみるとその曲がり具合に「えー」という驚きや「へぇー」と感心する声が上がった。「誘導するものがあると体は素直なのでそっちに行きたくなる。(無意識のうちに)自分でストッパーをかけているので、少し『体を許す』ことを覚えると楽になる」(近藤さん)。体がいつもより柔軟になる感覚に何度も試す参加者の姿も多く見られた。
後半も2人組で、今度は少しずつ振り付けを行った。「タッタラッタ、イエイ」「ドゥーツクドゥーツク」など近藤さんが口にする不思議な擬音を参加者も自然に口にしながら動きを確認。何度もペアを交代しながら、初めて会った人同士でも笑顔で近藤さんのピアノに合わせて踊った。
その後、それまで隠してあったスタジオ前面の鏡を開け、初めて自分の姿を見ながら踊ってみることに。急に動きがおぼつかなくなったり、表情が硬くなったりする参加者に「どうやったら『いい感じ』に見えるかを考えながら、踊らされているというよりアピールする感じでやってみると楽しい」と近藤さんはアドバイス。「いい感じ」を意識しながら何度か踊ってみた後、最後は「クールダウン」として「てっぱんダンス」を全員で踊り、2時間のワークショップを終えた。
終了後は質問やサインに気軽に応じた近藤さん。初めて参加したという松本市の堀田康平さんは「本当に楽しかった。最初は体が思い通りに動かないことを気にしていたが、だんだん楽しくなってきた」と振り返った。