日本をデザインの視点で旅するトラベルガイドブック「d design travel」(D&DEPARTMENT PROJECT発行)の第4号となる「d design travel NAGANO」が11月25日、発売された。
同書はデザインの視点から47都道府県のトラベル情報をセレクトしたガイドブック。読んだ人が旅に出たくなる「日本の旅のきっかけ」を提案する。毎号1都道府県を特集として取り上げ、編集長のナガオカケンメイさんが実際にその地に足を運び、地元のデザイン関係者などとともに取材・編集を行っている。
北海道、鹿児島、大阪に続く第4号では長野を特集。ナガオカさんが行く「ナガオカトラベル」では「松本、安曇野編」と「小諸、軽井沢、茅野、諏訪編」を掲載する。「松本、安曇野編」では松本城を訪れ、「デザイン的に他の城と比べると、他の城が『白』だとしたら松本城は『黒』だ」と記す。「クラフトフェアまつもと」「まつもと水巡り」も紹介。松本観光協会と新まつもと物語プロジェクトによって制作された「まつもと水巡りマップ」も付く。
「松本で感じたことは『ものづくり文化』のベースがしっかりあるということ。民芸を振興したことが、息の長い創作やデザインの原点となっている」とナガオカさんは話す。
11月27日には、D&DEPARTMENT PROJECT NAGANO by COTO(長野市)で発売記念パーティーが行われた。ナガオカさんと、ナノグラフィカの清水隆史さんのトークショーでは、善光寺・門前町や長野市内の建物を巡る旅を振り返った。表紙に軽井沢・万平ホテルのメニューの表紙絵を使ったことについて、「知っている長野のはずなのに、このように見ると知らない長野のように感じる」(清水さん)、「毎号一番悩むのは表紙とリード文。こちらのイメージではなく、旅の途中に『落ちていた』ものを素材にしている」(ナガオカさん)。年4冊のペースで発行していることに触れ、「全都道府県がそろうのは2023年。かなり先の話になるので、その間にぜひ『長野号』の2号、3号を長野の人たちで作ってほしい」とナガオカさんは期待を寄せた。
「旅行者に対して、これまでとは違った角度から魅力を伝えていきたい」と同店代表の瀧内貫さん。「地元の人たちにも、地域の魅力を再認識してもらって、誇りに思ってもらえれば」とも。
B5判変形、156ページ(まつもと水巡りマップ付き)、日本語・英語のバイリンガル表記。価格は980円。全国の書店、ミュージアムショップ、インテリアショップなどで販売している。