車いすに乗ったバンドを追ったドキュメンタリー映画-松本で先行上映へ

「スタッフ・ベンダ・ビリリ」のメンバー

「スタッフ・ベンダ・ビリリ」のメンバー

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 ポリオ(小児まひ)で下半身不随となったコンゴ民主共和国の車いすミュージシャンによるバンド「スタッフ・ベンダ・ビリリ」の活動を記録したドキュメンタリー映画「ベンダ・ビリリ!~もう一つのキンシャサの奇跡」の特別上映会が9月4日、まつもと市民芸術館(松本市深志3、TEL 0263-33-3800)で開催される。

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 同バンドは手動の三輪車型の車いすに乗る4人のシンガー兼ギタリストたちを中心に、松葉づえのシンガー、メンバーに救われたストリート・チルドレンなど計8人のミュージシャンで成る。「ベンダ・ビリリ」とは「外見をはぎ取れ」という意味で、メンバーたちが付けた名前。「内面(の精神)を見てほしい」「外見は不自由でも精神は最大に自由だ」というメッセージが込められている。

 同作品は彼らが数々の困難や挫折を乗り越え、アルバムの世界発売や海外公演などの成功を収めるまでの5年間を記録したもの。日々路上で演奏し、家がないため動物園で寝泊りする生活を送っていた同バンドの演奏を、別の映画の視察に訪れていたフランスの映像監督2人が耳にしたことがきっかけ。監督たちは道端で演奏する彼らの音楽に魅了され、交流をするうちにその逆境に負けない生き様に圧倒され、アルバムとドキュメンタリー映画の製作を決意したという。2004年から同国の首都・キンシャサに毎年滞在し、彼らの生き様を5年間追い続けてきた。

 同バンドの歌には、「子どもたちの世話を放棄しないでくれ」と子どもたち全員がポリオの予防接種をできるよう親たちに呼びかけているものや、「人間に『再起不能』なんてない。人生に『遅すぎる』ことは絶対ない」と真の障害は肉体ではなく心の中にある、と人々に呼びかけているものなど、さまざまなメッセージが込められている。同作品では演奏やライブのシーンも多く盛り込む。

 同館では9月11日の日本公開に先駆けて上映を行う。10月16日には同バンドのライブも予定。市内のイラストレーター・中武ひでみつさんがペイントを施した車いすに乗って演奏する。

 13時30分開場。チケットは、前売り=1,400円、当日券=1,800円、学生=1,400円。当日はブロードキャスターのピーター・バラカンさんを招いたトークショーも行う(同映画のチケットまたはライブのチケット購入者のみ参加可能)。問い合わせは同館まで。

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