浅間温泉の「手仕事扱い処GALLERYゆこもり」(松本市浅間温泉3、TEL 0263-46-2066)で現在、陶芸作家・山田のやさんの個展「おうち あかり」が開催されている。
山田さんは愛知県出身。京都精華大学で陶芸を専攻し、卒業後に入所した常滑市立陶芸研究所(愛知県)を経て、現在、常滑市内で制作を行っている。同店での個展開催は3回目。
同展では建物をモチーフにした明かりをメーンに、花器やオブジェなどを展示する。建物の形をした明かりは、面に開いた複数の穴(窓)から柔らかい光が漏れる。光に濃淡が出るように内側に壁を作るなどして工夫を施す。上面(屋上)は鮮やかな水色のガラスで覆われている。面に溝を施し、溝の深さによって生まれるガラスの色の濃淡で模様を作り出しているものも。「プールとか、水たまりをイメージしている」と山田さん。「惑(ほし)」と題する惑星をイメージして作られたものも。
半球状の一輪挿しの上面にも水色のガラスで覆い、生けた植物が水の中から生えているように見えるデザインに仕上げている。植物がきれいに立つように穴の内側は筒状になっている。展示用に生けた野草を見て山田さんは「田んぼみたい」と笑う。
8月1日には、山田さんの友人で絵はんこ作家のカキノジンさんによる「ガリガリ絵はんこ教室」が開催された。カキノさんは大阪を拠点に全国を旅しながら絵はんこ教室を行う自称「彫りプロ」。作品は篆刻(てんこく)用の柔らかい石を彫って製作する。当日は山田さんを含む7人が参加した。カキノさんは、はんこ作りに夢中になる参加者にゴム製の指を付けた手で道具を渡すなどしてちょっかいを出したり、愉快なトークを繰り広げたりするなどして参加者を和ませた。はんこが完成すると、参加者はカキノさんが部長を務める「はんこ部」に入部届けを提出、部員証を受け取り、約3時間にわたる終始笑いの絶えないワークショップが終了した。
「土器など、すごく昔に作られたものでも残り続けるところに引かれて陶芸を始めた。濡らしてもいいし、火にも強く水もためられるので、すごい素材」と山田さん。「時間とか『売れるかな…』とかを考えずに、自分の思うままに作品を作り続けたい。ずっと手を動かし続けたい」と今後の制作活動にも意欲をみせる。
作品は販売も行う。明かり=5,000円~、一輪挿し=4,300円、オブジェ=3,000円など。営業時間は土曜・日曜・祝日の10時~18時。平日に来店希望の場合は事前に要連絡。8月29日まで。