松本で童話ベースの「にんぎょひめ」-絵本で描けないシーンも

銀の輪をあぶくに見立てて、人魚姫と母親がじゃれあう。(撮影:山之上正信)

銀の輪をあぶくに見立てて、人魚姫と母親がじゃれあう。(撮影:山之上正信)

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 アンデルセン童話の「人魚姫」をベースにした舞台「にんぎょひめ」の公演が7月25日、まつもと市民芸術館(松本市深志3、TEL 0263-33-3800)で行われる。

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 同作品は世田谷パブリックシアター(東京都世田谷区)が「こどもの劇場シリーズ」として、2007年に南イタリアを拠点とする劇団「テアトロ・キズメット」の脚本・演出家のテレーサ・ルドヴィコさんを迎えて作り上げたもの。

 人間の王子に恋をした人魚姫が、海の魔女に自分の美しい声を捧げて人間の足を手に入れ、王子のいる宮殿へと向かうおなじみのストーリーだが、シーンの表現方法は独特。「血が流れる場面や、男女の登場人物が魚をくわえながらじゃれあう姿がキスしているように見えるなど、絵本の世界ではちょっと描けないようなシーンがある」と同館の今井浩一さん。「子ども向けの演劇だと『楽しくて、元気が出る』というイメージがあるが、これは『人魚姫』が持つ負のイメージなどをそのまま表現している。それに対してさまざまな感情を抱けるのはとても魅力的で大切なことだと思う」。

 舞台装置はごくシンプルで、天井に掛けられる長い布のみ。照明やはためきの大小で、波の揺らめきや海底、陸などを表現する。白塗りの顔で登場するキャストも特徴。「テレーサさんの日本人のイメージじゃないかな?歌舞伎に影響されたのかも…」(今井さん)。

 「演劇は一般的に『静かに見ないといけないもの』と思われているが、この舞台は怖い人が出てきたら『怖い』、血が流れたら『痛そう』『かわいそう』と、見たままの感想をその場で自由に言ってもらっていいと思う。親も、子どもが自由に感じている姿を見ることができる」と今井さん。「大人も十分楽しんでもらえると思うので、親子でぜひ」とも。

 13時30分開場。チケットは、一般=3,000円、高校生以下=1,500円。7月24日には、チケット購入の小学生を対象とした無料ワークショップも開く。問い合わせは同館まで。

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