松本市美術館近くに4月8日、「マクロビオティックキッチン gen」(松本市中央4 TEL0263-39-3393)がオープンした。
「煮物はかまどで煮る。ガス火よりも味がよく染みる」と村松一男さん
店舗面積は約10坪。席数はカウンターとテーブル、小上がりで24席。パーティーなどの貸し切り時は2階も開放する。同店は北安曇郡池田町でマクロビオティックの食事と宿を提供する「玄ノ里」のアンテナショップ。「ずっとアンテナショップは作りたいと思っていて…。やっと念願がかなった」と「玄ノ里」の村松一男さん(46)。内装は、スタッフ全員で解体した古民家から調達した材料で作り上げたという。
メニューは菜食が中心。「かまど炊き玄米ご飯」(200円~)や「玄米おむすび」(2個350円)、「玄米揚むすび」(2個400円)など、マクロビオティックの主食となる玄米は店内に設置したかまどで炊く。「キッチンの中ではなくあえてお客さんから見えるところに置いた。火の赤くて温かい色と、パチパチと木がはぜる音、玄米が炊けるにおいを楽しんでもらいたくて…」。玄米とおからの入った「コロッケ」(単品300円、定食750円)や「車麩カツ」(単品400円、定食850円)、「季節の温野菜」(単品500円~、定食950円~)なども。日替わりで定食や単品料理、デザートなども用意する。
同店の「おすすめ」は「コーフー料理」。「コーフー」とは小麦のグルテン(タンパク質)と水を混ぜて作る生地。「コーフー竜田揚げ」や「コーフーハンバーグ」「コーフーと玉ねぎの煮物 すき焼風」(すべて単品500円、定食950円)などを提供する。「見た目はまるで肉。食感は鶏肉に近いので食べた人はびっくりしている。子どもは気付かずに食べている(笑)」と同店スタッフの林美穂さん(43)。
食材は、調味料以外はすべて「玄ノ里」で採れたものを使用しているという。「自分たちで全部やりたいから。いずれは調味料も自家製にしたい」(村松さん)。
スタッフはすべて「玄ノ里」のスタッフ。店長の斎藤雅浩さん(25)は昨年6月から「玄ノ里」を手伝ってきた。「(「玄ノ里」に来てから)肉体的にも精神的にもたくましくなった。人生の中で今が、一番調子が良い」と話す。「人に食事を提供することは人の命を預かることだと教わった。意識して作ることで調理方法は必然的に変わってくるので、肝に銘じて作っている」とも。
「『マクロビオティック』は海外で流行しているが、もともとは日本食の精神。食べるものを少し変えるだけで心も体も元気になる。本当の意味での『健康』になってもらいたい」(村松さん)、「かまどで炊いた玄米ごはんを食べてほしい。人本来の『食』を提供していきたい」(斎藤さん)。
営業時間は11時~20時。月曜定休。