無農薬大豆と天然にがりを使った豆腐「あんぜんとうふ」、口コミで話題に

「おいしく食べて、さらに活動も知ってもらえれば」と前田さん

「おいしく食べて、さらに活動も知ってもらえれば」と前田さん

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 松本市の福祉事業就労施設「あい」(松本市庄内2、TEL 0263-24-3320)が作る無農薬大豆と天然にがりを使った木綿豆腐「あんぜんとうふ」が話題を呼んでいる。

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 松本平産の無農薬大豆と天然にがりを使用。販売は同施設や市内の百貨店「井上」などで扱うほか、宅配も行う。個人宅へも届けるが、現在はカフェやベーグル専門店、眼鏡店、パチンコ店などへまとめて配達し、それぞれの店へ受け取りに行くという客が多いという。「『コンビニ店頭受け取りサービス』みたいだけど…(笑)、特にこういうかたちにしたかったわけではなく、自然とこうなった」と配達スタッフの前田一樹さん(25)。最初は前田さんが以前働いていた職場や知り合いの店などに配達し、その後口コミで広まった。「店の人がお客さんに薦めてくれて、『じゃあわたしの分も一緒に…』という感じで頼んでくれる人が増えてきた」(前田さん)。現在は週に30~40丁ほどを配達しているという。

 同施設は市内で福祉施設やフリースクールを運営するNPO法人「四炎(しえん)」(島立)が運営。同NPO代表の西村四郎さんが「障害者が働ける場所を」と、20年ほど前から経営していた健康食品会社で培った豆腐作りのノウハウを生かして昨年秋ごろから準備を始めた。3月1日に同施設を開所して本格的に稼動。現在は1日180丁ほどを製造している。

 前田さんが配達スタッフとして働くようになったのは昨年10月ごろ。「障害者支援と、安心して食べられるものを作るという2つの点で力になれればと思って」と前田さん。4月からは山形村の小学校に非常勤講師として勤務を始めたが、今後も配達を続けていきたいという。「豆腐を届けると喜んでくれるので充実した気持ちになるし、やりがいを感じる。届け先の店にも足を運んでくれる人が増えて、人と人とのつながりが広がっていけばうれしい」。

 「あんぜんとうふ」の価格は1丁(400グラム)250円。

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