松本市美術館で「館蔵セレクション展」-開館から8年の軌跡をたどる

先月26日に行われた「ギャラリートーク」の様子。

先月26日に行われた「ギャラリートーク」の様子。

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 松本市美術館(松本市中央4、TEL 0263-39-3400)で現在、「館蔵セレクション展~後世に伝えたい8年の軌跡~」が行われている。

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 同展は、2002年4月の開館以来8年間にわたって同館が収集してきた作品を公開。「郷土出身作家、松本にゆかりのある作家の作品」「信州の自然、風土、歴史に関わる作品」「山岳をテーマにした作品」「音楽にちなんだ作品」という4つの収集方針に基づいて集められた収蔵作品のうち、今回初披露となる9点を含めた52点を展示する。「まとまった機会がなくてお披露目できなかった作品も見てもらう機会になればと思い企画した」と同館学芸員の大島浩さん。

 収集方針に合わせて4つに分けた展示スペースの一角では、作家の言葉を編集した映像を上映。「画集などから抜粋して編集した。絵の見方を聞かれることが多いが、絵からすべてを感じ取るのはやはり難しいので…一つのきっかけになればと思って」(大島さん)。これまでの同館の企画展をまとめた映像もあり、展示、イベントの様子やポスター、搬入風景などを交えながら、8年の軌跡を振り返ることができる。

 先月26日に行われた「ギャラリートーク」では、大島さんが解説を加えながら参加者とともに展示室を回った。「山岳をテーマにした作品」のスペースでは、初披露となる大矢紀さんの「浄」「風響(裏浅間)」「崚」3作品について、それぞれの作品がどの山を描いたかを解説。約17メートル×36メートルある髙山辰雄さんの作品「瀧のあるいおり」の前では、髙山さんが89歳のときに描いたことも紹介。来場者からは「山をテーマにした企画なども多いが、本当に山好きの人は美術館にはなかなか来ない(笑)。でも、広いスペースでゆったりと見ることができて、とてもぜいたくに過ごすことができた」という感想も聞かれた。

 開館当初1,800点ほどだった作品は現在、2,000点を超えるほどになった。「今後、所蔵作品がどのように評価されていくのか楽しみ」と大島さん。「これまでを振り返って、来年迎える10年目に向けて考えていきたい」とも。

 開館時間は9時~17時。入場料は、大人=400円、大学生、高校生=200円、70歳以上の松本市民、中学生以下は無料。月曜休館。1月24日まで。ギャラリートークは1月16日・17日、23日・24日にも行う。

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