日本フットボールリーグ(JFL)への昇格を懸けた「第33回 全国地域サッカーリーグ決勝大会 決勝ラウンド」の最終戦が12月6日、総合球技場アルウィン(松本市神林)で行われ、松本山雅F.C.が優勝し、長野県勢初となるJFL昇格が決まった。
山雅は前日に行われた対Y.S.C.C.(神奈川)戦を1-0で勝利、ツエーゲン金沢(石川)と2位を争うかたちで最終日を迎えた。同日11時からY.S.C.C対ツエーゲン金沢戦が行われ、PK戦の末Y.S.C.Cが勝利。ツエーゲンは勝ち点1を得たが合計点が山雅を上回らなかったため、日立栃木ウーヴァ(栃木)と山雅の上位2チームが確定し、山雅は対決を前に自動昇格を決めた。会場では「松本山雅JFL昇格」と大きなタイトルが入った号外が配られ、サポーターのボルテージはさらに上昇。日立栃木との優勝争い戦を待った。
アルウィンには1万965人の観客が詰め掛け、山雅に大きな声援を送った。観客席にはサポーターがJFL昇格を願って新調した「必昇!」などの横断幕が張り巡らされ、さまざまなメッセージを書いたボードを掲げたり、山雅の旗を振ったりするなどの観客で埋め尽くされた。
試合は山雅のキックオフでスタート。14分に一瞬のすきを突かれて日立栃木に先制点を許したが、22分にMF大西康平選手が同点ゴールを決めた。さらに43分、左サイドからのセンタリングにFW柿本倫明選手が合わせるが決められず、こぼれたボールをFW小林陽介選手が詰めて逆転すると観客は一斉に立ち上がり、歓喜の声が会場に響いた。このゴールが決勝点となり、2-1で試合終了。終了のホイッスルが鳴ると、「やったー」「バンザイ」と声を上げたり、涙を流して喜ぶ人の姿も。両チームが中央に並び礼をすると山雅ベンチから控えの選手やスタッフが飛び出してイレブンと抱き合い、円陣を組んで長年の夢だったJFLへの昇格を喜んだ。
試合終了後、アイシティ21(東筑摩郡山形村)で監督や選手、チームを運営するアルウィンスポーツプロジェクト(ASP)スタッフが今季の活動報告会を行った。数百人の興奮冷めやらぬサポーターが集まり、買い物客も一緒にJFL昇格を祝った。吉澤英生監督は「苦しいとき、悔しいときがあったが、それをサポーターが支えてくれた。この場を借りてありがとうと言いたい」と感謝の言葉を口にした。
併せて山雅は、サポーターへ感謝の気持ちを込めた「ファン感謝デー」を今月13日に行うことを発表した。詳細・申し込みは山雅ホームページで確認できる。