
松本のはんこ店「木下製印社」(松本市大手3、TEL 0263-32-2665)が2月10日、外国人向け印鑑製作を紹介するチラシ「城治瑠加寿(ジョージルーカス)」を店頭に貼り出した。
チラシでは、名前を漢字に置き換えたはんこが製作できることを日本語と英語で説明。「GEORGE LUCAS」と「城治瑠加寿」の2種類のはんこの実物と印影の写真を載せた。はんこのサイズは4種類で、漢字1文字の直径9ミリ(2,200円)から、最大9文字彫れる15ミリ(1万1,000円)まで。30分から1時間ほどで彫り上がる。
木下匡晃社長は「イベント出演で松本を訪れた外国人への土産物として注文を受けたことはあったが、店頭で売れることはほとんどなかった」と振り返る。昨年5月、初めてチラシを作成。英語と日本語を1文ずつ併記した、テキストのみのものだった。7月に1本売れたが、思ったような反応がなかったことから、11月ごろにデザインを変更。「Marie→真里」「Tom Cruise→登夢繰頭」の文字と印影を入れた。店頭に実物も併せて並べると反応があり、多いときは1日1本売れるようになったという。
最初の頃は、名前を聞いて漢和辞典を引いていたという木下さん。徐々にコツをつかみ、「安是良(アンジェラ)」など音だけではなく、意味を聞かれたときに説明できるような漢字を選ぶようになった。「マドンナ(窓女)」など「合わせ技」のような組み合わせも思い付くようになり、「腕が上がった」と笑顔を見せる木下さん。外国人とのコミュニケーションも、以前は翻訳アプリなどを使っていたが、少しずつ耳が慣れて聞き取れるようになってきたという。「話す内容はいわゆる『中学英語』だが、臆することはなくなった」とも。
年明けから客足が鈍ったため、再度、チラシのデザインを熟考し、より目を引くような「城治瑠加寿」版を新たに作った。今後も反応を見ながら、新しいバージョンを展開する可能性もあるという。「商売は試行錯誤の積み重ね。私自身も楽しみながら、お客さまに喜んでもらえる商品を届けていきたい」と意気込む。