信州大学の学生有志が中心となって活動する「まつもと若者デジタルマップ制作委員会」が、市内のさまざまな情報を紹介するデジタルマップ作りを進めている。
学生向けの割引サービス「学割カエルパ!」の企画運営をする信大生有志と市職員でつくる「松本をもっとよくしようプロジェクト(まつもっと)」を中心に、総合情報サイト「シンダイガイド」の運営などを手がける「OMOMO」(松本市岡田松岡)、市住民自治局地域づくり課が連携。6月に委員会を立ち上げ、現在は学生10人ほどがデジタルマップの制作に取り組んでいる。
マップには「学割カエルパ!」の協賛店約40店舗の情報のほか、観光スポットや若者が利用できるコミュニティーサービスを掲載。メンバーの「お薦めスポット」も紹介する予定だという。繊維学部1年の新井結万さんは「私も含め、信大は2年になると松本を離れる人が多い。松本で過ごす1年間が大学生活を左右するので、外に出るきっかけになるような情報を届けたい」と意気込む。
9月13日には、「学割カエルパ!」の協賛店や観光スポットを巡り、撮影などを行った。松本城を出発してまずは銭湯「桜の湯」へ。その後、酒造会社「善哉(よいかな)酒造」(大手5)の前にある湧き水「女鳥羽(めとば)の泉」に立ち寄り、繩手通りへ向かった。農学部1年の加藤葵さんは「実際に町を歩くと、魅力的な店や場所がたくさんある。店の人とお客さんとのやりとりも豊かだと感じる」と話す。繊維学部1年の内藤大詞さんは塩尻市出身で、「松本にはよく来ていたが、また違った面を見られるのが楽しい」と笑顔を見せる。
今月30日までクラウドファンディングで支援を募っており、10月13日には「サザンガク」(大手3)で完成報告会を開く。「OMOMO」の滝沢翔吾社長は「マップの完成で終わらず、これをきっかけに町と学生がつながって、新たな動きが生まれるようにしたい」と話す。市住民自治局地域づくり課の小山雄聖さんは「町には人と話したり、体験したりするからこそ得られる面白さがある。多くの学生にその楽しさを感じてもらえれば」と期待を寄せる。