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松本・乗鞍高原が舞台の絵本「のりくらのえほん」 ガイドブックや土産にも

丸善松本店ではコーナーを設置

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 乗鞍高原を舞台にした絵本「のりくらのえほん めぶきのきせつ」が7月8日、のりくら観光協会から発売された。

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 絵本は、乗鞍高原内にある一の瀬草原のあざみ池が舞台。主人公の地元で「木ねずみ」と呼ばれるリスをはじめ、高原に生息するさまざまな動物が登場する。現地を歩く際にマップとしても使えるようにと、地図や動植物図鑑の要素も盛り込み、サイズも19センチ四方とコンパクトにした。

 制作は、2022年11月に立ち上げた地元有志を中心としたプロジェクトチームが担当。同高原でペンションを経営する斉藤新悟さんが、訪れた友人から「自然は豊かだが、遊ぶ場所が少ない」と言われ、「乗鞍の楽しみ方をもっと伝えたい」と思ったことがきっかけになった。当初はアクティビティーも考えたが、ハード面は多くの資金が必要になるため、別の方法を模索。動物たちの日常を描いた絵本「バムとケロ」シリーズをヒントに、絵本を作ることにした。

 昨年5月には「絵本ワークショップ」を開き、同高原でガイドをしている斉藤真弓さんの案内で、あざみ池周辺を歩いた後、市内在住の編集者・鈴木麻紀子さんが、体験を絵に落とし込む方法を伝えた。7月にはクラウドファンディングで協力を呼びかけ、目標を超える約107万円が集まった。

 その後、原画を募り、プロジェクトのメンバーで話し合いを重ね、制作を進めた。鈴木さん以外のメンバーは、本作りは初めて。印刷は松本市内の藤原印刷に依頼し、色校正などにも立ち合った。「構成や印刷から販売までの手続きなど、分からないことばかりで予想以上に大変だったが、貴重な経験になった。多くの人に支えてもらって完成させることができた」と新悟さん。

 21日には、発売を記念して「絵本トレッキング」を開催。あざみ池のほとりで絵本の朗読を聞いた後、絵本の舞台を一緒に歩いた。約30人が参加し、子どもたちからは「絵本と同じ」と喜ぶ声も上がったという。「絵本を持ってこの景色の中を歩いてほしいという願いがかなった」と新悟さん。来年は、絵本に描いた季節として5月ごろに行う予定。「絵本を読んで乗鞍を訪れる人、乗鞍を訪れた記念に絵本を購入する人、どちらも増やしていければ」と意気込む。

 価格は2,200円。売り上げの一部は一の瀬草原の整備のために寄付する。乗鞍高原観光センターと「エコー乗鞍」のほか、松本市内の「丸善松本店」、「本・中川」などで扱う。

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