松本市出身の俳優・中野マサアキさんが出演する映画「オジさん、劇団始めました。」が3月22日~28日、松本シネマライツ(松本市高宮中)で上映される。
2020年10月に上演された劇団「PU-PU-JUICE(プープージュース)」の同名演劇を映画化した青春物語。家族のために働いているのに家族との会話はないサラリーマンの浅野(渡辺いっけいさん)が、居酒屋で出会った劇団員の豪快さに引かれて弟子として入団。家族との絆を取り戻そうと悪戦苦闘する。中野さんは劇団の座長役を演じる。
中野さんは1977(昭和52)年生まれ。松本蟻ケ崎高校在学時に、ドラマ「白線流し」の影響で俳優を意識するようになったが、「もともと、自分を表に出すことが苦手だったこともあり、進路面談で『役者になりたい』といっても本気にされなかった」と振り返る。卒業後は上京し、美術系の学校へ進学。アルバイト先のバーの客だった俳優に相談したことがきっかけで、学校を辞めて小劇場の世界へ飛び込んだ。「後悔がないようにやってみようと思った。基礎になるようなものもなく、一からのスタートで、厳しいこともあったが楽しかった」とも。
劇団「プープージュース」のメンバーでもある中野さん。劇団が中心に描かれる同作は、自身と重ね合わせる部分も多いという。「人生の半分以上、真ん中に演劇がある状態で過ごしてきた。演劇を通して成長してきたし、育ててもらった分の恩返しもしたい」と話す。
市内にある実家には、年に数回帰っているというが、「凱旋」は初めて。プロモーションにも力を入れ、1週間ほど「里帰り」して自らメディア対応を行った。「皆さん協力的で、本当にうれしい。背中を押してもらっているような感覚になる」と中野さん。23日・24日は舞台あいさつに登壇するほか、全上映回で観客を見送りたいという。「子どもが見ても分かりやすいし、年配の方は『まだまだこれから』という気持ちになれる作品。劇団の裏側も垣間見えるので、同業の人にも見てもらいたい」と呼びかける。
舞台あいさつは23日・24日の14時上映の後に行う。そのほかの日の上映時間はウェブサイトで確認できる。