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松本・中町のギャラリーで藤田千絵子さん陶展 「大人っぽい白」の器中心に

「地元で個展ができてうれしい」と喜ぶ藤田さん(左)と錦織さん

「地元で個展ができてうれしい」と喜ぶ藤田さん(左)と錦織さん

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 安曇野市在住の陶芸家・藤田千絵子さんの個展が現在、松本・中町通りのナカツカビル3階の「器と工芸 なかつか」(松本市中央2、TEL 0263-32-4168)で開催されている。

細かい点々がアクセントになっている作品も

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 マグカップ、皿、鉢のほか、ゴブレットやスープカップ、ふたものなど約200点を展示する。メインとなる柔らかい白色の器は、これまで使っていた陶土が手に入らなくなり、代わりとなるものを模索。さまざまな土を取り寄せて試行錯誤し、理想的な土が見つかった。「土によって形やラインが決まるし、発想も変わる。大人っぽい白色が出せて、作りたい形ができる土と出合えて良かった」と藤田さん。同展が新しい土を使った作品のお披露目になるという。

 オーバル皿は、板状の粘土を切り分けて作る「たたら」という技法で制作。3サイズ・2色の展開で、落ち着いた茶色は土に交ざっているガラス質の粒を残して、光の具合でキラキラと輝くように仕上げた。「縁の色が濃く出て、縁取られたようになるのも気に入っている」とも。

 藤田さんは京都府出身。岐阜県瑞浪市の製陶所に勤めた後、土岐市で独立。その後、結婚を機に安曇野に移り住み、2010(平成22)年に築窯した。

 これまでグループ展などは行ってきたが、県内での個展は初めて。同店では2020年のオープン時から常設で扱ってきた。店主の錦織康子さんは「藤田さんの器はシンプルで本当に使いやすい。購入する人も老若男女問わず幅広い」と話す。作品に合わせて花を飾ったり、月初まで企画展をしていた奥井美貴さんの絵画を壁に並べたりして、会場全体に一体感を持たせた。

 「子どもが小学生になり、少し時間が取れるようになったので、いろいろなことにチャレンジしていきたい」と藤田さん。漆芸教室に通い、5年ほどかけて漆のことを学び、金継ぎにも対応。陶磁器素材の上に漆を施す陶胎漆器にも挑戦し、今後、作品を追加する予定だという。「イベントに参加するなど活動の幅を広げて、より多くの人に作品を手に取ってもらえる機会をつくりたい」と意欲を見せる。

 価格は、小皿=2,200円~、マグカップ=3,300円~など。営業時間は10時~17時。会期中の休みは8日、9日、13日~16日。8月22日まで。

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