松本・乗鞍高原でゼロカーボンを学び、実験と実践を共有するコミュニティー型プログラム「NORIKURA ZERO LABO(ゼロラボ)」が8月18日から行われる。主催する一般社団法人アルプス山岳郷が参加者を現在、募集している。
全5日間のプログラムで、前半は8月19日・20日、後半は10月13日~15日。前半は、乗鞍が進めるゼロカーボンや、地域資源を使ったクリエーティブ、サーキュラーエコノミーと町づくりなどを考える。後半は、リサイクルや地域資源の活用によって作られる素材や商品などを紹介。いずれも座学だけではなく、外へ出て雷鳥ウオッチや紅葉ハイクなども行う。
全日程参加できることが条件で、参加無料(交通費・宿泊費は自費)。アルプス山岳郷の一員で、ゲストハウス運営などを行う「Raicho」(松本市安曇)の社長・藤江佑馬さんは「学んで体験するだけではなく、自ら行動できる実践者、楽しみながら乗鞍というフィールドでゼロカーボンに向けて共に歩む仲間になってほしい」と話す。
乗鞍高原は、2021年3月に環境省が推進する「ゼロカーボンパーク」に国内で初めて指定され、地域ビジョン「のりくら高原ミライズ」を策定。翌年4月には「脱炭素先行地域」にも選ばれている。藤江さん自身、現地で宿泊・飲食事業などに携わる中で、「地域の人々が積極的に関わる必要性を感じる一方、過疎化、人手不足、コロナ禍での経済的な影響などで難しいということも実感としてある。だからこそ、地域外から関心を寄せ、一緒に取り組んでくれる人が増えることで、好循環が生まれ、持続可能な地域づくりにもつながるのでは」と期待を寄せる。
開催は2回目。昨年は、インスタグラムで告知しただけにもかかわらず、すぐに定員に達し、注目度の高さを感じたという。「3分の2が乗鞍地域以外からの参加で、首都圏の人もいた。30代が中心で、企業に勤めて、サステナビリティーに興味のある人が多かった」と藤江さん。プログラム終了後には、参加者らが自主的に6つのプロジェクトを立ち上げ、「のりくら高原ミライズ構想協議会」と連携しながら、取り組みを進めている。
今後は、ラボの継続開催や、進行中のプロジェクトの事業化を目指す。「いずれは『ゼロカーボンウィーク』と銘打ち、世界から脱酸素に関心のある人を集めたカンファレンスが開けるくらい、存在感、影響力を高めていきたい」とも。
締め切りは7月30日。応募はウェブサイトで受け付ける。