「貝合わせ」の作品と、絹糸で作る手まりや指ぬきなどを展示する「若葉薫るてまりと貝あわせ展」が現在、松本・中町のギャラリー&ショップ「手仕事商會(しょうかい)すぐり」(松本市中央3、TEL 0263-33-7736)で開催されている。
貝合わせは、平安時代の貴族社会で生まれたもので、内側に絵や装飾を施したハマグリの殻を使って対になる殻を見つける遊び。同展では24点の作品を展示する。源氏物語に登場する人物や花のほか、ひな人形や犬筥(いぬばこ)といった縁起物を色鮮やかに描く。
作品を手がける生越仁子さんは1932(昭和7)年生まれ。NHK大河ドラマで貝合わせの指導をしたり、「古典の日」記念切手の原案を担当したりと、貝合わせの絵付け作家の第一人者として活躍する。先月は、出身地の松代町で展示会を開いた。店主の木内文嘉さんは「生越さんの作品は、非常に細かく描かれて華やか」と話す。
そのほか、「てまり豆鈴」は、小さい手まりを使ったアクセサリーや、帯飾りのアクセントやバッグの飾りになるチャームを販売。thread jewelry Ricca(スレッドジュエリーリッカ)は、カラフルな絹糸で作る指ぬきや、ネックレスなどを並べる。
同店では6年ほど前から手まり作りのワークショップを開いていて、参加メンバーが制作したものを「すぐりてまり」として展示。草木染をした糸を使った大小さまざまな作品をディスプレーする。
生越さんのめいが以前、同店の展示会に参加したつながりから、今回の開催が決まった。木内さんは「貝合わせと手まりを通じて、日本の文化に興味を持ってもらいたい。貴重な機会なので、たくさんの人に足を運んでほしい」と笑顔を見せる。
価格は、貝合わせの作品=9,350円~、指ぬき=6,600円~、チャーム=4,200円など。すぐりてまりは受注販売。営業時間は11時~17時。水曜定休。5月16日まで。