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松本市美術館で「アーツ・アンド・クラフツ」展 日常彩るデザイン感じて

テキスタイルや壁紙など、暮らしを彩るデザインを紹介

テキスタイルや壁紙など、暮らしを彩るデザインを紹介

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 生活用品のデザイン革新運動を紹介する企画展「アーツ・アンド・クラフツとデザイン ウィリアム・モリスからフランク・ロイド・ライトまで」が現在、松本市美術館(松本市中央4、TEL 0263-39-3400)で開催されている。

テキスタイルのほか、椅子などの家具もある

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 「アーツ・アンド・クラフツ(Arts and Crafts Movement)」は19世紀の英国で始まったデザイン運動。職人による手工芸の復興を目指し、丁寧な手仕事から生まれる美しさを人々の暮らしに取り入れ、身近な生活と芸術を統合した「美しい暮らし」を主張。「モダン・デザインの父」と呼ばれるウィリアム・モリスと、その思想に共鳴したデザイナーや建築家により発展した。

 同展では、モリスをはじめとしたイギリスの作家から、20世紀を代表するアメリカの建築家フランク・ロイド・ライトまで約170点の作品を展示。テキスタイルをはじめ、壁紙、家具、ジュエリー、ガラス器、金工、タイル、書籍などが並ぶ。

 モリスが新婚時代を過ごした家にあったバラの生け垣をヒントにした「格子垣」は、花に集まる虫や、その虫を目当てにやってくる鳥などが生き生きと描かれている。代表作「いちご泥棒」は、当時、主流となっていた化学染料ではなく、モリス自身が実験を重ねて復活させたインディゴ染めを用いた。初期のデザインは自然のモチーフを写実的に捉えたものが多いが、織物を手がけたことをきっかけに異国の文様の研究を進め、中世風の雰囲気を持つ作品も増えていった。

 1888年、第1回アーツ・アンド・クラフツ展が開かれ、その思想は英国内から欧米へと浸透。米国ではアーツ・アンド・クラフツ協会が各地に開設された。月刊誌「ザ・クラフツマン」を創刊したグスタフ・スティックリーや、その弟たちが手がけた椅子やテーブル、ティファニー・スタジオのランプ、ライトがデザインした幾何学的なステンドグラスなどから、その広がりを紹介する。

 29日から始まる月間イベント「工芸の五月」に合わせて開催。同館学芸員の稲村純子さんは「暮らしを彩るデザインが集結している。さまざまな角度から、工芸の魅力を感じてもらえれば」と話す。

 開館時間は9時~17時(入場は16時30分まで)。入場料は、大人=1,200円、大学生、高校生、70歳以上の松本市民=800円、中学生以下無料。月曜休館(5月1日は開館)。6月4日まで。4月27日、5月16日、26日には学芸員によるギャラリートークを行う。

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