信州大学の学生でつくる「信州大学地域参画プロジェクトCHANGE(チェンジ)」が、松本市議会議員選挙(4月23日投開票)の立候補者に向けてアンケートを行い、その結果をウェブサイトで公開している。
立候補者が、学生など若者についてどのように考えているのかを発信することで、市議会選挙への関心を高め、若者の投票率を上げることを目的に企画した。質問は5項目。「学生の意見を直接聞いた経験があるか」「学生に『市議会は自分たちに対して何をしてくれるのか?』と聞かれたらどう答えるか」「高齢者福祉の予算を調整しつつ、学生を中心に若者への支援を拡充することについてどう考えるか」といった学生目線のもののほか、現市長が掲げる政策、自身が最も重視したい政策についても聞いている。
「CHANGE」は2018(平成30)年4月に設立。これまでも、市内の公共交通の利便性向上や大学周辺における受動喫煙防止の取り組み、若者が語り合う座談会の開催など、学生が地域課題に関心を寄せるきっかけになるような活動を行ってきた。2020年3月の松本市長選の際には、6人の候補者にインタビューをして、ウェブサイトで発信。昨年12月には、「令和4年度未来をつくる若者・オブ・ザ・イヤー内閣府特命担当大臣表彰」を受賞した。
現在、メンバーは約10人。2月ごろから準備を始め、市の選挙管理委員会の協力を得て、3月に行われた立候補者向けの説明会でアンケートを配布した。同大経法学部2年の上野颯馬さんは「同世代の人にも選挙に興味を持ってほしいと思ったし、自分自身も立候補者の皆さんがどんなことを考えているのかを知りたかった」と振り返る。立候補者39人のうち、29人が回答。同じく経法学部2年の鈴木あかりさんは「高齢者と若者、どちらも大事という答えが多く、子育てや教育を重視するという人もたくさんいた。高齢者と若者、二者択一ではないと感じた」と話す。
今月9日に行われた長野県議会議員選挙の投票率は過去最低の44.47%。松本市内は41.19%だった。「投票は地域とのつながりだと思う。行かないのはその権利を放棄することになる」と上野さん。鈴木さんは「私たち大学生も含め、若者は普段は政治について語ることがほとんどない。少しでも身近に感じる人を増やすことができれば」と力を込める。