アートと健康をテーマにした多目的スタジオ「Creative Art Village Aida ムム」(松本市会田、TEL 080-4760-3230)が松本・四賀地区地域づくりセンター(四賀支所)近くに2月19日、オープンした。
昨年5月に横浜市から移住した、ダンサー・振付師の大宮大奨さんと妻の桃子さんが開業した。築200年を超えるという古民家は木造2階建て、延べ床面積は約380平方メートル。以前は理容室で、正面のガラスには「吉野屋理容」の文字が残る。
34畳ほどあるスタジオでは、予約制でヨガやストレッチ教室を開く。施術ルームでは、柔軟性の向上やゆがみの改善を目指すボディーケア(30分3,000円~)も。大奨さんは「衣食住にまつわる全てに関係しているので、まずは体を知ることが大事。体に興味を持ち、向き合うきっかけになれば」と話す。
大奨さんは岐阜市出身。18歳からニューヨークを拠点に、数々の舞台・映像作品に出演するほか、振り付けやディレクションなどに携わってきた。東京オリンピック2020競技大会・開会式では、森山未來さんの振り付けを担当。2021年、長男が生まれたことがきっかけで、移住を検討し始めた。「山が好きだったので、長野もいいなとフェイスブックに投稿したら、友人がいろいろ薦めてくれた」。初めて四賀を訪れた時に、紹介された古民家を見て、その場で移住を決めたという。その後、何度も足を運び、友人の手も借りながら少しずつ改修を進めてきた。
オープンの日は、近所の人を招いてお披露目を行った。「寒い時期は家にこもりがちで体も固まってしまう。都会と違って、ここには自分でつながりをつくるチャンスがある。10代の頃は思いもしなかったが、自分の経験を還元していきたい」と大奨さん。「ムム」という名前は、番地の77を逆さに見た時に、覚えやすいと思って付けた。
現在は、キッチンとゲストルームの改装中。今後は、土間を使ったイベントを企画したり、裏手のガレージに音響設備を備えてステージにしたりと、より多目的に利用できる空間として整えたいという。「アーティストを呼んで、滞在制作をしてもらうこともできると思う。アートと健康を意識しながら、自然と人が集い、対話が生まれる場所にしていければ」とも。