ガラス作家・柳原麻衣さんと革職人・朝倉綱大さんによる夫婦ユニット「ko-ma」による展示「こけの森の塔」が現在、松本のギャラリー「ギャルリ灰月(かいげつ)」(松本市中央2、TEL 0263-38-0022)で開催されている。
鳥取県に工房を構える2人。柳原さんは耐熱ガラスを用い、朝倉さんは革を細密にカットして、繊細なオブジェやアクセサリーを制作している。
「苔(こけ)の環(わ)」は円環のオブジェで、木の芽やコケ、キノコなど森の中から生命が誕生するような雰囲気を表現。花や種子、クラゲが浮いているようにも見えるモビールは、小さなものと、テグスでつないだ大ぶりのものとで揺れ方が異なる。「森の塔」と名付けたオブジェはコラボ作品。黒い胴体の部分はレザーで、先端にはガラスを付けた。
同展に合わせ、さまざまなタイプの明かりも新たに制作。「苔の環」をベースにしたランプシェードや、「森の塔」のガラス部分が輝く「光の塔」などを用意する。壁から下げるタイプのものは、ガラスとつないだ金属の棒の先がライトになっていて、光がガラスに当たるようにした。同ギャラリーの滝澤充恵さんは「スイッチを入れて初めて『ここが光るのか』と気付いた。いろいろと創意工夫していただいている」と話す。
滝澤さんと柳原さんは10年来の付き合いで、作品を扱ったり、個展を開いたりしてきたが、「ko-ma」としての展示は初めて。企画時に、明かりの制作を依頼した。「以前から、柳原さんの作品が明かりになったらと考えていた。結婚後、作品の幅が広がっていると感じていたし、共作にも取り組んでいると聞いていたのでリクエストしてみた」と振り返る。
その後は何も言われないまま、作品搬入時に初めて作品を目にしたという滝澤さん。「それまでのやりとりではまったく触れられなかったので、『難しいことをお願いしちゃったかな』とちょっと心配していたが、こんな明かりが生まれるとは」と笑顔を見せる。既に売約済みのものも多いが、「せっかくなので、多くの方に2人の世界観に触れてもらいたい」とも。
価格は、「森の塔」=9,900円、モビール=1万5,400円など。営業時間は11時~18時。火曜・水曜定休。2月19日まで。