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松本で「鹿児島市立美術館名品展」 ゆかりの作品、西洋美術コレクションも

第1章「鹿児島ゆかりの作家たち」

第1章「鹿児島ゆかりの作家たち」

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 鹿児島ゆかりの作品や、西洋美術コレクションを展示する「鹿児島市立美術館名品展」が現在、松本市美術館(松本市中央4、TEL 0263-39-3400)で開催されている。

多くの画家が描いたさまざまな「桜島」

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 両市が文化・観光交流協定を結んでから10周年を迎えたことを記念した特別展。3章構成で、絵画を中心に、版画、彫刻など107点を展示する。

 「鹿児島ゆかりの作家たち」では、日本の近代洋画の発展に大きな影響を与えた黒田清輝や、藤島武二、和田英作らの作品を紹介する。約2000点という同館で最も所蔵作品数が多い橋口五葉は、日本画、洋画、版画、本の装丁など多方面で活躍。夏目漱石の「吾輩(わがはい)は猫である」の装丁画稿は、参考資料として書籍も一緒に並べる。スティーブ・ジョブズが初代マッキントッシュを発表した際にデモ画面に映し出したという「髪梳(す)ける女」も。

 「珠玉の西洋美術コレクション」では、黒田に影響を与えたというラファエル・コランに始まり、モネ、セザンヌ、ピカソ、マチス、ダリなど、印象派から現代までの近代西洋美術の流れを通観できる。モネの「睡蓮(すいれん)」は、連作の最初期に描かれた8点のうちの1点で、国内にある中では最も古いものだという。

 「とっておきの桜島」では、多くの画家が魅了された「桜島」を紹介する。黒田の「桜島爆発図」は、父の病気見舞いで鹿児島に帰省した際に遭遇した歴史的な大噴火を描いた連作。娘の結婚を祝したという田村一男の「西桜島ゆきのあしたの日本晴」は、鮮やかな色彩に明るい未来を感じさせる。

 鹿児島市立美術館は1954(昭和29)年開館。2016(平成28)年には「松本市美術館名品展」を開催しており、今回は「お返し」となる。学芸員の稲村純子さんは「当館からすれば、鹿児島市立美術館は『大先輩』。館外でこれだけの作品が観覧できるのはまたとない機会なので、足を運んでほしい」と話す。

 開館時間は9時~17時(入場は16時30分まで)。入場料は、大人=1,200円、大学生、高校生、70歳以上の松本市民=800円、中学生以下無料。月曜休館。11月27日まで。10月30日には記念スライドトーク「なぜ鹿児島は洋画王国となったのか」(入場無料、要申し込み)を行う。

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