ダンスカンパニー「Nect(ネクト)」プロジェクトによる第2回コンテンポラリーダンス松本公演「かれらの森」が10月29日・30日、上土劇場(松本市大手4)で上演される。
第1部は、「一人ダンス劇」と題して、3人のプロダンサーが、自身で演出・振り付けしたオムニバス作品。同カンパニーを主宰する二瓶野枝さんによる「わたしの話」、同カンパニーの内藤治水さんによる「夕まずめ」のほか、ゲストダンサーとして、ダンス劇を数多く手がけてきた熊谷拓明さんによる「醒(さ)めない熱波」も上演する。
第2部は、同カンパニーのメンバー10人が出演する「-かれらの森-」。同じ境遇の人たちが集うコミュニティーの中で生まれる価値観の違いをテーマに、それぞれの思いを表現する。二瓶さんが演出と振り付けを、市内を拠点に国内外で活躍するデュオ「3日満月」が音楽を担当。メンバーは県内在住者が中心で、新体操をしている高校生や、クラシックバレエ経験者、役者などさまざまな経歴を持つ。二瓶さんは「体の使い方をはじめ、視点、捉え方もそれぞれ違っていて興味深い」と話す。
二瓶さんは2013(平成25)年、東京でネクトを立ち上げ、年に数回上演。その後、東京と松本を行き来する中で、2017(平成29)年、松本に移住した。当初は、コンテンポラリーダンスに取り組む場が少なかったが、県内の高校で特別授業やパフォーマンスを行ったり、親子で楽しむ「にちようカラダのワークショップ」へ参加したりと、ダンスや身体表現に携わる人たちとのつながりが徐々に広がってきたという。
8月には、メンバーを中心に1人5分程度のソロ作品を作る場を設け、8人のダンサーが発表した。「それぞれの持つ技術を生かして、表現することの難しさ、面白さを感じながら取り組むことができた。ダンサーに限らず、身体表現を楽しめる人をもっと増やしたい」。今後は、メンバー以外にも参加者を募りながら定期開催を視野に入れる。
3年ぶりとなる同公演。前回と比べて、スタッフにも県内在住者が増えた。「東京と県内、それぞれのつながりをうまくミックスした形になってきた」と二瓶さん。作品は身近なエピソードを交えつつ、大人も子どもも楽しめるものに仕上がっているという。「見る人の数だけ受け止め方も違うので、型にはめず、心を開いて、自由に楽しんでもらえれば」とも。
開演は、29日=19時、30日=14時。料金は前売り一般=3,000円、学生=2,000円、小学生以下=1,000円。当日はいずれも500円増し。予約・問い合わせはネクトまで。