塩尻市のJR塩尻駅3、4番線ホームにあるブドウ棚で9月28日、ブドウの収穫が行われた。
ブドウ棚は、塩尻のブドウとワインのPRの一環として1988(昭和63)年に設置。ブドウは、メルローとナイアガラの2種類で、それぞれ2本植えられている。同駅や塩尻ワイン組合などでつくる塩尻駅観光施設設置協議会のメンバーが中心となり栽培。市内の園児も、傘かけ用の紙に絵を描いたり、ブドウ狩りを行ったりと、一緒に楽しんでいる。
当日は、同協議会のメンバーが参加してナイアガラを収穫。脚立を使ってブドウを手にして、はさみで切り取り、コンテナに入れていった。市観光協会事務局の中澤真由美さんは「ホームは日当たりと風通しが良く、照り返しで寒暖差も大きくなる。今年は天候不順だったが、甘いブドウができた」と話す。
収穫したブドウは、以前は生食用としてイベントなどで振る舞っていたが、新型コロナの影響を受け、一昨年と昨年はワインに加工。今年はより多くの人に楽しんでもらいたいと、ジュースにして販売する。
駅構内にブドウ棚があるのは国内唯一。世界的にも注目を集め、各国のメディアでも取り上げられているという。来月はメルローを収穫し、その後ワインに加工する予定。同駅の岡田聡駅長は「ホームに来ると甘い香りに包まれる。ブドウの季節を目と鼻で楽しんでもらえれば」と呼びかける。