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松本・浅間温泉で五月女寛さん個展 「野の草花が似合う」花入れ中心に

同ギャラリーの庭の草花を生けて展示する

同ギャラリーの庭の草花を生けて展示する

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 飯島町在住の陶芸家・五月女寛さんの個展が現在、松本・浅間温泉の「手仕事扱い処(どころ)GALLERYゆこもり」(松本市浅間温泉3、TEL 0263-46-2066)で開催されている。

大小さまざまな花入れ

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 花器を中心に、茶わんや小鉢、絵画など約180点を展示する。作品のほとんどは玉づくりという手びねりの手法で制作。一気に練り上げるように形作り、ちょうど良い硬さになったら彫刻のように削って成形する。欠けたような縁の部分は、削りの過程で偶然できた形を生かしながら整えていく。「最初の頃は、半分ほどしか納得いくものはできなかった」と五月女さん。特徴的な縁は、コンクリートやアスファルトの割れ目でたくましく生きる草花の姿から着想を得た。小さいサイズから作り始め、徐々に大きいサイズも手がけるようになったという。「野の草花が似合う花入れを作りたかった。繊細に見えるが、持ってみるとずっしりと重くて丈夫」とも。

 絵画は墨を使った墨象画で、陶芸で使っているオリジナルの泥を木製パネルに定着させたものをキャンバスにしている。石や枯れ枝、鳥の羽根などを筆代わりに、墨を置くようにして描いている。「偶然のラインを出すことを楽しんでいる」と五月女さん。庭では、水の中に四角いオブジェを入れたり、木に細長い形のオブジェをつるしたりしたインスタレーションも展開する。

 五月女さんは1969(昭和44)年、千葉県柏市生まれ。大学で建築を学び、設計の仕事をしながら、2005(平成17)年に東京・雑司が谷にアトリエを構え、個展を中心に作品を発表してきた。漠然と長野県への移住を考えていたところ、友人がきっかけで伊那谷の存在を知り、直感的に「この谷に住みたい」と思ったという。理想的な古民家が飯島町で見つかり、2019年、退職して移り住んだ。

 同ギャラリーでの展示は初めて。初日の4日には、花人・山本文弥さんが同ギャラリーの庭にある草花や枝を生けた。「生けてみたいと感じる器。生けた花も喜んでいるのではないかと思う」と山本さん。イチイの枝やエノコログサなどを生ける様子に、五月女さんや来場者も見入っていた。

 作品は販売も行う。花入れ=4,620円~、小鉢=4,950円~、墨象画=1万8,700円~など。営業時間は10時~18時。日曜・月曜定休。9月24日まで。24日は五月女さんが在廊を予定する。

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