松本市の日本語学習サロン「日本語いろいろ」が現在、世界各国の料理をまとめたレシピ集「世界の料理いろいろ」を販売している。
レシピ集はB5判46ページ。サロンで活動する市内在住の9カ国10人をはじめ、飲食店を経営する外国出身者が母国の家庭料理を紹介する。
台湾出身の小林思静さんは、現地で定番の料理、豆花(トウファ)と蛋餅(ダンピン)を掲載。蛋餅は台湾式の卵クレープで、朝食を外で食べることが多い台湾で人気の屋台グルメという。フィリピン出身の野村ロセルダさんはナスのひき肉詰めオムレツとプリン、中国出身の原田莉江さんは水ギョーザと果物スープを紹介するなど、21品の多国籍料理を取り上げている。
必要な材料を入手できる店の情報も掲載し、気軽に作ってもらえるように工夫した。同サロンを運営する松本りかさんは「紹介者のプロフィルやレシピを選んだ理由も載せた。料理だけではなく、どんな人なのかも知ってもらいたい」と話す。
サロンは2018(平成30)年に発足。市内の公民館などで、外国籍の在住者らが日本語学習や文化に触れる場として活動を始めた。新型コロナの影響で大勢で集まることや、海外に行くことが難しくなる中で、「多国籍の料理を発信し、外国に親しみを持ってほしい」とレシピ集作りを企画。デザインはボランティア仲間に協力してもらい、松本さんや有志のメンバーが市民団体の助成金を使い、およそ1年をかけて完成させた。
すでに第2弾も計画しているという。松本さんは「料理を通じて世界を知ってほしい。多文化への理解がさらに深まれば」と期待を寄せる。
価格は1部500円。インド家庭料理店「DOON食堂 印度山」(松本市大手4)やベトナム料理店「ビベト」(中央1)などで販売。問い合わせは日本語いろいろ(nihongoiroiro@yahoo.co.jp)まで。