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松本で陶芸家・西山光太さん個展 地元素材で作る「あわ焼」、さらなる進化求め

床の間の大壺、天井のモビール、西山さんの前に並ぶ器も「あわ焼」

床の間の大壺、天井のモビール、西山さんの前に並ぶ器も「あわ焼」

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 陶芸家・西山光太さんの個展「あわ焼と冬のウツワ」が現在、松本・浅間温泉の「手仕事扱い処(どころ)GALLERYゆこもり」(松本市浅間温泉3、TEL 0263-46-2066)で開催されている。

試行錯誤しながら作り上げた「あわ彩文あわ人」

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 皿、カップなどの食器をはじめ、耐熱皿や土鍋、オブジェなど約200点を展示する。粉引き、あめ釉(ゆう)、黒釉のほか、彫り文様を施して彩色した「彩文」シリーズなど多彩な作品が並ぶ。コーヒードリッパーや、東京・東向島の「野島商店」とのコラボで制作したインド風炊き込みご飯のビリヤニを作る「ビリヤニ壺(つぼ)」もある。

 千葉県館山市在住の西山さんが地元・安房(あわ)地域の土を使って制作する「あわ焼(やき)」は、昨年10月に開催した前回の個展よりもバリエーションが増え、釉薬を使ったカップや皿、ぐい飲みなどの器のほか、花器やオブジェも用意する。「発表の機会が増えたことで協力者が増え、情報もたくさん集まった。1年でかなり発展したと思う」と西山さん。土や釉薬だけではなく、野焼きで土器を焼成する際には燃料となる木や藁(わら)も含めて、その土地のものだけで作る挑戦を続けている。

 床の間に置いた大壺は、割れずに焼き上がるのはかなり難しいという直径50センチほどのサイズ。模様は焼く際の火の具合で入るため予測はできないが、「だからこそ面白さがある」という。DMに用いた「あわ彩文あわ人」は、壺とその縁に手を掛けた女性に文様を掘って色を付けた小さなオブジェで、「あわ焼」と「彩文」という2つの技術を持つ西山さんならではの作品になった。「この形にするのが難しくて試行錯誤しながら何度も作った」と振り返る。

 同ギャラリーでの展示は6回目。同ギャラリーの瀧沢一以さんは「過去作も含めて展示しているので、本当に多彩な展開。積極的にさまざまなことに挑戦しているので、話を聞くのもいつも楽しみ」と話す。

 2017(平成29)年4月に発表した「あわ焼」。西山さんは「まだまだ実験段階」という言う。「もっと良くなるという手応えがあるので、試してみたいことがたくさんあるが、制作が追い付いていない状態。これからも研究を続けていきたい」と意気込む。

 価格は、「あわ焼」小鉢=3,000円~、耐熱グリル皿=5,200円~、ビリヤニ壺=8,800円など。営業時間は10時~18時。会期中無休。12月19日まで。18日午後と19日は西山さんが在廊を予定する。

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