松本・美ケ原高原で現在、売店のリニューアルや新たなメニューの販売、漫画家・高野苺さんが手掛けたポスターや「未来ポスト」の設置など若者を意識したさまざまな取り組みが行われている。松本市が事務局を務める美ケ原観光連盟による観光キャンペーンの一環。
県美ケ原高原自然保護センター(松本市入山辺)隣にある美ケ原駐車場売店を「うつくしテラス」として、7月22日にリニューアルオープンした。SNSで発信・拡散しやすいように、「映え」を意識した新メニューとして、美ケ原の雲海をイメージして白い綿あめをトッピングした「雲ソーダ青空」(600円)や、信州牛を使った「美ケ原バーガー」(1,000円)などを用意する。ほかに、松本市内に2店舗を構えるカレー専門店「メーヤウ」のカレー3種類も提供する。
ポスターは、美ケ原高原で「雲ソーダ青空」など新メニューを手にしている漫画「orange」のキャラクターの姿を高野さんが描き下ろした。漫画のストーリーにも重なるキャッチコピーは「美ケ原ならちゃんと話せそう」。併せて設置する「未来ポスト」は、オリジナルのハガキに宛先とメッセージを書いて投函(とうかん)すると、3年後に配達される。
インスタグラムでは、「うつくしテラス」の公式アカウント(@utsukushiterrace)をフォローすると「雲ソーダ」1杯を進呈(10月10日まで)。美ケ原高原で撮影した写真をハッシュタグと共に投稿するキャンペーンも実施する。同観光連盟の星野亜紀子さんは「若年層や親子連れなどに足を運んでもらうきっかけになるような企画を考えた」と話す。
「3ガク都(岳都、楽都、学都)」を掲げる同市では、山岳観光にも力を入れるが、上高地・乗鞍地域と比べると、美ケ原高原周辺は認知度が低いという。市文化観光部観光プロモーション課の木内翼さんは「中長期的な観光戦略の中で、今回はその初年度の取り組みとして位置付けている」と話す。道路整備などの課題もあるが、「(道路整備は)お金も時間もかかる。道を直して人を呼ぶよりも、人が来るから道を整備する、という方向で進めていきたい」とも。
現在、松本駅発の美ケ原高原直行バスは、1日2往復運行している(9月1日~30日は土曜・日曜・祝日のみ)。「この夏も、遠方へ出掛けるのをちょっとためらう人が多いと思うので、近場で楽しんでもらえれば。高原は涼しいので、快適に過ごしてほしい」と呼び掛ける。
「うつくしテラス」の営業時間は10時~15時。11月中旬まで。