台座に釘を打ち、糸をかけて形を描く「糸かけアート」を制作する3人による作品展「信州の糸かけアート展2021」が現在、松本・あがたの森公園近くのカフェ「陽氣茶房」(松本市県1、TEL 0263-88-3693)で開催されている。
大小さまざまな糸かけアート作品約60点を展示する。出展するのは、上田市在住の中西由美子さん、辰野町在住の小澤なお美さん、大町市在住の長谷川陽子さん。
中西さんはしずく型のものや、円をいくつも重ねて花のようにした作品を用意する。「森のリズム」は、古材を用いて、太陽や月、木漏れ日をイメージした。「何に糸をかけるかによって、雰囲気がガラリと変わる。それぞれの世界観を表現できるのも面白い」と話す。
小澤さんはアクリル絵の具を使ったドットアートを組み合わせてカラフルに仕上げた。諏訪湖の花火をイメージして制作した作品も。「釘の頭の部分がドットのように見えるので、合うのではないかと思って始めた」。「宇宙が好き」という長谷川さんは、星座を描いた「ホロスコープ曼荼羅(まんだら)」のほか、知人の音楽会のステージ装飾のために作った「音色」などを出品する。
3人の合作「信州の夢風景」は、山や湖、森、空など自然をテーマに各自で制作。搬入時に3枚の板を貼り合わせた。「お互いどういうものを作っているのか知らず、搬入時に初めて見た」と長谷川さん。会期中にも制作を続け、「完成させたい」という。
2018(平成30)年、中西さんが講師を務めた糸かけアートのワークショップに2人が参加。「試行錯誤しながら、かけて、ほどいてを繰り返し、完成したときの達成感が大きい」(小澤さん)、「ピンと張った糸から、曲線や花、波模様が生まれるのが面白い」(長谷川さん)と、その魅力に引き込まれた。当初、昨年5月に予定していたが、新型コロナウイルスの影響で延期になった。中西さんは「私自身、子育てで制作から離れていた時期もあったが、無心で糸をかけていった先にできあがる作品は何物にも代えがたい。こうして無事に3人で開催できて良かった」と笑顔を見せる。
期間中はワークショップも開催する。「見た目のかわいさはもちろん、図面のような面白さもあるので理系の人も楽しめると思う。老若男女問わず、足を運んでもらえれば」と小澤さん。
開催時間は11時~17時。火曜定休。6月13日まで。ワークショップは期間中の11時~15時(予約優先)、参加費は1,000円。